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私にとって実にいわく付きな作品である。
今まで3回借りた事があるのだが、なんやかんや事情が重なって観る事ができなかったのだ。
その事情というのが傑作で、大爆笑間違いなしのエピソードの数々なのだが、紙面の都合上今回は割愛させていただく。
私自身、今思い出しても吹き出してしまいそうなネタなのだが、紙面に制限があるのなら仕方ない。
(ないよ)
苦渋の決断により今回はカットという事でご容赦願いたい。
いやはや困ったものである。
(さては何もないな)
とにかく今回、念願かなってようやく鑑賞できたワケである。
感無量とはこの事だ。
リーアム・兄さん主演のアクション映画だ。
息子を殺された父親が復讐のため単身巨悪と闘い、組織を壊滅させるという物語である。
なんかどっかで聞いた事があるような話だが、実際に観てみるとどこか様子がおかしい。
明らかにおかしい。
復讐劇なのに笑けてしまうのだ。
リーアム・兄さんは終始深刻な顔をしているのに、笑けてしまうである。
こ、これは、コメディ・・なの・・か?
ラストシーンはコメディ以外の何ものでもない。
一体、どのような話なのか。
物語自体はとても分かりやすい。
だが、巷に溢れる脳ミソ筋肉系のアクション映画とは全然違う。
かなり抑制の効いた演出で、意外と丁寧に物語は進んでいくのだ。
その中で主人公のリーアム・兄さんは復讐相手を次々に葬っていく。
「96時間」を彷彿とさせる、ある種の爽快感を感じる事ができるのだ。
だが、序盤で私たちは奇妙な感覚に陥る。
登場人物が死亡する度にテロップが出てくるのだ。
十字架マークとともに、その人物の名前が・・・
この手法は「仁義なき戦い」や「JOJO」などでも用いられてきた。
“○○死亡”とか
“○○再起不能”とか
主要な登場人物に対して・・・
しかし、この作品はちょっと違う。
律義に全員なのである。
「いや、誰が興味あんねん!」
「お前誰やねん!」
と言いたくなるほどの雑魚キャラ(失礼)もなのだ。
これは一体何なのだ。
登場人物に対するリスペクトなのか、他に何か意味があるのか。
多分、意味はないのだろう。
ラストシーンを際立たせるための演出だと私は理解した。
アクション映画に興味ないよ~っ、て人にも観ていただきたい作品である。
できれば、「96時間」とかリーアム・兄さん主演の痛快アクション映画を観た後にご鑑賞いただければ、より楽しめるかもしれない。
大満足の一本でした。
(珍しいシメやね)