ねこねここねこ

マルモイ ことばあつめのねこねここねこのネタバレレビュー・内容・結末

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

ユ・ヘジンが観たくて鑑賞。

朝鮮人なのに朝鮮語を禁じられるという理不尽に抗い、朝鮮語の辞書作りに奔走するリュ代表(ユン・ゲサン)
まともな教育を受けられず、非識字者のキム・パンス(ユ・ヘジン)は盗みを働いたりしてなんとか生計を立てている小悪党。キムがリュ代表の鞄🧳を盗んだことがきっかけとなり、リュ代表のところで辞書制作をしているチョ先生(キム・ホンパ)とキムが知り合いだったこともあり、辞書作りを手伝うようになる。
初めは対立する2人だが次第に同志としての絆を深め、キムは母国語の大切さに気づく。
警察のあらゆる妨害にも負けずに辞書を完全させたが、そこにはキムの仲間達や、逓信局員の密かで多大な協力、朝鮮語教師たちの気概、そしてキムの生命を賭けた心意気の結集でもある。

「タクシー運転手 約束は海を超えて」の脚本家オム・ユナの長編映画監督デビュー作でもあるようだ。脚本ももちろんオム。

やはりユ・ヘジンの魅力全開。小悪党なんだけどどこか人が良くて憎めないキムの役を見事に演じている。途中文字を覚えてゆく過程で、街中のあらゆる文字を嬉しそうに読むシーンは微笑ましい。
そして日本人から静かにしろと言われても歌を歌い続け、殴られたら殴り返す気骨のあるシーンも良かった。
最後のシーンは泣ける😭

それにしてもこうして見ると日本って属国にした相手の国の言葉を奪うとか、日本名付けさせるとか酷い仕打ちをしてるよねと思うと胸が痛む。痛むけど戦争ってそういうものなのだろうな。これからずーっと支配するつもりであれば日本語にしとけよって感じなんだろうが、公用語を日本語に、ではなく朝鮮語を話してはいけないというのはやり過ぎ。
言葉は尊厳や魂が宿っている。もっと尊重すべきものなのに。名前も同様だ。
逆に言えばこの2つを奪うことで相手から尊厳を失わせることも出来るから、そういう心理的な意味もあるんだろう。

ユ・ヘジンはもちろん、犯罪都市では悪人を演じていたユン・ゲサンはもともとラッパーだと知ってビックリ‼️演技うまいよね。

あと辞書作りのメンバーで唯一の女性、本屋のジャヨンを演じるキム・ソニョンも良かった。
チェ先生の奥さん役のイェ・スジョン、どこか不幸な役がこんなに似合う女優さんも珍しいよね。

朝鮮語学会事件を基にした映画だけに、途中胸が苦しくなる場面も。特にキムの2人の子供、兄が泣きながら妹を背負って歌を歌うシーンは泣ける😭
ラストでこの兄妹が幸せに暮らしていてホッとした。

当たり前だけど役者がいい演技をすると映画は🎬面白い!