やりたいことはなんとなく理解できる。が、モキュメンタリー形式と銃撃戦の相性が悪すぎる。明らかに銃撃戦のただなかでカメラを回していてカメラマンがマトリックスのネオ並みに弾丸を避けるか止めるかできないと、この映像はあり得ない。車越しの攻防も車体に弾痕が残らないは無理にしてもガラスの一枚も割れないのはあまりにもリアリティーに欠ける。何の脈絡もなくライフル銃にカメラが取り付けられているのも不自然すぎる。肉弾戦も手持ちのハンディでは到底捉えきれないであろう瞬間をお決まりのように捉えている。あとジャンプ漫画のようなキメ台詞もこの形式にはそぐわなく感じた。
その他にも随所に気になる点が散見できる。
モキュメンタリー形式である必要があったのか…。
むしろ普通の形式であったなら、何の違和感もなく観れた気がする。
”ベイビーわるきゅーれ”の世界観を低予算で作れるモキュメンタリー形式で作ってみようとしたのだろうが、世界観を壊さないようにするとリアリティーが置き去りになり、リアリティーに寄せると世界観が歪んでしまうジレンマに陥ってしまっているように感じた。
設定やストーリーは面白いだけに、もったいなさが際立った作品だと私は思う。
