眼鏡の錬金術師

老後の資金がありません!の眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

老後の資金がありません!(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

老後に必要となる資金はズハリ4000万です、と。
主人公は50代妻。いきなり義父死亡で葬式代約400万の出費。夫婦で失業。娘がいきなりバンドマンと妊娠&結婚発表。
義母への仕送りが厳しくなり、家に迎えることに。散財したり、特殊詐欺にひっかかったりする義母。友人からの詐欺紛いの依頼を引き受けたり、生前葬したり。

普通におもしろかった。
全体的にBGMがダサい。キャストは豪華。みんな顔芸上手。
作風としては小エピソードを繋げた作りになっていて、ところどころ結構笑えるとこがあった。不倫疑われるとことか。
ちょっと最後きれいにまとまりすぎかなって感じはするけど、良質コメディだった。
最初はお金の話かと思ったが、途中から嫁と義母の絆の話になってた。

人類に資本主義という概念が浸透しきった今、我々は時間と貨幣の奴隷になった。貨幣があれば顔の見えない相手とも取引可能となり、何でも手に入るようになったが、逆に無ければ何も手に入らなくなった。
資本主義によって、人類の生活水準は飛躍的に上がったが、我々の幸福度はどうだろうか。いつもいつもお金の量ばかりに気を配り、死ぬまで紙や金属や数字の上げ下げに一喜一憂する。果たしてその先に何があるというのだろうか。
人類が資本主義を今から捨て去ることはできないし、お金は大事だ。なるべく多く持ってるに越したことはない。しかし、自らの幸福度を貨幣の量だけに見るるのは危険ではないか。
資本主義全盛の世の中だからこそ、貨幣とは別に、自らの幸福を測る指標を自分の中に持っておくことが大事なんじゃないかと思う。

人類は元々コミュニティで生きてきた。シェアハウスというのは、現代の核家族世帯よりもずっと人類にとって自然な暮らしかたなのかもしれないね。核家族ってめっちゃ非効率だしね。