矢崎

マリグナント 狂暴な悪夢の矢崎のレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
5.0
とても面白かった!

ジャパニーズホラー的なやつか?→いや、思ったよりパワータイプだな?→ああなるほどそういう…いや、やっぱ違う?(中略)→爆笑

期待が高まるオープニング映像からジャンルの定まらない展開の連続で、常に何かが起こっていて最後まで全く飽きなかった。
映画館だと堪能できる「間」や陰鬱さも家だとだれてしまうからこのテンポの良さがありがたい。

主人公視点のホラーな夜が開ければ、事件現場にやってきた刑事側の物語がはじまる。
血の飛ぶ殺害現場でも隙あらば恋愛アピールを欠かさない鑑識官と軽くあしらうイケメン刑事。バディは安置室で前に真っ赤なロリポップを咥える人生経験豊富そうな女性刑事。
物騒ながらも張りのある日常を送っていそうな彼らはこの時点で魅力的で、ホラー案件に巻き込まれるのが気の毒になる。

後半のアクションシーンもやってる内容はアレなのにテンポが良いから面白い。
突然現れた非日常の存在によってわけがわからないまま蹂躙されるのは至って真っ当な人々だ。今までとは違い、正当防衛も因果応報もないただそこにいただけの悲劇……なのに、アクションゲームでコンボや連続キルが決まる瞬間さながらの爽快感で胸が躍る。

にこにこしながら「悪役」の活躍を見守る時間はまさに娯楽。欲を言えば最後にもう一幕欲しかった。
矢崎

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