とつこ

マ・レイニーのブラックボトムのとつこのレビュー・感想・評価

4.0
今年も1年、お疲れさまでした。

2020年本当に悲しかったニュースのひとつ、
チャドウィック・ボーズマンの逝去。
今でも信じられないままなのですが…
彼の遺作となったこの作品を今年の締めにします。

会話劇、というのかな?
戯曲が原作になっているそうです。

一人の身体ではとても抱えきれない程のやりきれなさを、
会話の端々に、登場人物全員に感じました。

…観るの、しんどい。

各々が皆、各々のやり方で戦って、もがいているんです。
血を吐くような叫びには心が締め付けられました。

終盤の展開にはえっ!?て声出るほど驚いてしまったのですが、
"あれ"が伏線となっていたのですね。

ラストシーンは本当にやるせない。
戦って得た場所、命削って生み出した音楽が、あんな簡単に。


全体的に鬱々と(…は言いすぎだ、)淡々と?進むストーリーの中に、
痛いほどの熱さを感じる、とても印象的な映画でした。

遺作じゃなくても、今作のチャドウィック・ボーズマンの演技は多くの人にとって忘れられないものになるはずです。
彼が大好きです。
とつこ

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