蔵なもし

彼女が好きなものはの蔵なもしのレビュー・感想・評価

彼女が好きなものは(2021年製作の映画)
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宇多田ヒカルが同性愛をテーマにした曲を書き、「ゲイがストレートに恋するってステレオタイプじゃない?」というようなメッセージを受け、「私は異性愛者だけど、どうしてストレートだって思うの?」というようなメッセージを返していました。前後を忘れてしまったのですが、「あなたゲイを知らないよね?」という指摘に、「私はバイセクシャルかもしれないじゃない」と返したというエピソードで、やはりすごいなと感心しました。

ゲイを隠している男子高校生がBL好きな女子高生と出会う。どんなもんかなあ、なんて見始めましたが、思ってたよりもしっかりしたものが来て驚きましたし、かなり刺さる台詞が多くて物語として大いに楽しめました。

妹がすでに腐女子の僕は、これってキモいことなんだっけ?てとこからスタート。しかし、数年前からゲイに対して理解があるのではなく、理解があるフリをしていたんだということに気づいてしまいましたから、主役のふたりを見ていてとても切なく、狂おしくなりました。
所詮は理解がある風に装って、自分を高尚な人間に見せたいだけのその他大勢と同じだったのです。
理解はできなくても想像したい。僕の言い表せなかったものを言葉にしてくれました。
年代が離れていますので、今作は親目線で見てしまいましたが、それにしても、主役のおふたりたまらないですね。ファンになっちゃいました。