低予算ながら映像の見応えがある。過去パートの伏線はもう少し前出ししても良かったのではと思う。
結婚式という舞台が、家族の問題を取り上げるとき、その核心にここまで深く斬り込めるものなのだと改めて思い知った。
総合的に高い完成度だが、もうひとつ突き抜けるものが欲しい気がした。
良い意味ですべて裏切られた脚本。是枝監督は子役の演技を引き出すのが上手い。
良作であることは間違いない。しかしそれは、"カメラで切り取られた画"を、"制作側が意図した視線"で捉えた場合であり、その枠>>続きを読む
音楽は文句なしの高評価だが、映画としては響くものが少ない。誰かに寄り添ってストーリーを愉しむことができず、しかし群像劇としてもピンとこない。結果的にあの"事故"が悪目立ちしているように感じた。
また>>続きを読む
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非常に面白かったが、テーマとして挙げられる"呪い"や"血"、つまり「過去からの復讐」は、『八つ墓村』(ファンタジーの度合いで言えば1977年松竹版)に近しいと感じた。
舞台がルーブルになり、金田一耕助>>続きを読む
マリオがモチーフとして利用されたのではなく、非常よく研究されファンムービーとして十分な域に達していたことが大ヒットの大きな要因なのだろう。
あくまでベースは崩さず丁寧に描き、『アベンジャーズ』『マッ>>続きを読む
"村"という異空間での極めて特殊な権力構図とそれを取り巻くルール、この禍々しさを祭りと巨大なゴミ処理場で表現したのは見事。俳優の選び方と撮り方もうまい。
問題はストーリー、結局なにが言いたかったのだろ>>続きを読む
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親という立場の難しさ、田舎という閉塞的なコミュニティの限界、ベースとなっていたこれらの要素とその描かれ方は、想像よりつらい映画だった。
そういう状況のなかで、あみ子が認識している世界、そこに寄り添うカ>>続きを読む
クリエイターの心情変化をテーマにするに苦心したのか、結局は恋愛描写に傾倒した印象。クヨクヨしすぎな佐藤健のキャラは女性ウケ悪そう。
ガワの話にはなるが亀田誠治の音楽、当時無名だった大原櫻子の歌唱力を1>>続きを読む
片想いと両想いをぐるぐるしてるだけでテーマがはっきりしないから後半が異様に長く感じた、が、画はよかった。
『狐狼の血』『初恋』に続く東映ネオ任侠映画の系譜としては十分過ぎるほど楽しめた。しかしあまりに粋な幕の引き方。脚本からビシビシ伝わってくるものもあるが、字幕の補助なしでは理解し難い。この映画は全体的に>>続きを読む
取り分け大きなエンタメ的要素があるわけじゃないが、生涯ベストに入るような、映画らしい映画を観た気分になった。
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"優しさ"ひとつの取っ掛かりとし、テーゼ・アンチテーゼ・ジンテーゼが繰り広げられる。最後のセリフ、あのひとつがあることで、価値観を強要するようないやらしさが見事に消滅。これほど上手な群像劇を観たことな>>続きを読む
良いテーマ、良いストーリーに仕上がっているが、好きでない演出がチラホラあることで集中が削がれてしまった。
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敢えて辛口なコメントをするならファンムービーの域を脱していない大失敗作。「正義の残虐性」というテーマは悪くないが、平成ライダーを多少なりとも観てきた側の人間からしても期待値を超えない展開の連続であり、>>続きを読む
3時間かけて人の記憶を、想い出を垣間見させてもらったような映画だった。名監督の半自伝ともなると特別なメッセージを期待するものだが、映画の構成として最低限のものしか用意されていなかったのも実に興味深い。
これをなんと評価すればいいものか。面白さ満載なのだが設定はマーベルの二番煎じ、だがラストに向けた解決プロットは独特でA24ぽさを感じさせてくれる。
単純だが面白いし、キャラクターの多さとその絡み方も心地よい。ラストまでちゃんと描ききった感が高評価。
緩いストーリーラインでもキャラと全体的な柔らかさでなんとなく観れてしまう。いやらしさがなく前田監督のコメディとは違う。
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第二の『パラサイト』と謳っていたが、『ドライブマイカー』を下敷きにしている印象。愛した女性を突然失った男性の嘆きをテーマとしており、男性が恋をした理由、女性が去った理由がグッとくるほど面白いという構図>>続きを読む