masayaさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

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中島みゆき 夜会VOL.20「リトル・トーキョー」劇場版(2019年製作の映画)

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かつてのスタイルを取り戻したような既発曲多数の夜会最新作。耳馴染みのある曲はどんな時も一緒に乗り越えてきた同志のように心地よい。嬉しくも何故か切なく感じた「小さな場所、嘘の場所、帰る場所」リトル・トー>>続きを読む

アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

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青春映画になんか絶対ならないような人生を送っていても、誰一人例外なく悩みがあって憧れがあって、心震える瞬間がある。この大きな球場のほんのはしの方にも確かにあった、斜に構えてた心が震える瞬間。もう、声を>>続きを読む

ドロステのはてで僕ら(2019年製作の映画)

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こりゃまた、なんじゃこりゃ!なすこし・ふしぎ映画、2分という縛りが絶妙だし、この状況を面白がってしょうもない発想ばかり思いつく仲間たちが最高。こっちは見てて分かってるようで分かってないとこもあるけどと>>続きを読む

海辺の映画館―キネマの玉手箱(2019年製作の映画)

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何度も反復されるカット、暑苦しい演出、矢継ぎ早の字幕とナレ、ガンギマリの映像表現の洪水で殴る殴る。映画の力を信じる一人の文化人として、戦争を知る最後の世代の老人として巨匠から放たれた、未来を生きる世代>>続きを読む

おかあさんの被爆ピアノ(2020年製作の映画)

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広島市内で原爆に遭いながら残ったピアノ。戦後75年を経て、その音色で戦争の悲惨を静かに、時に言葉より雄弁に代弁する被爆ピアノを通して、親から子へ、子から孫世代へと伝えるべき平和への強い思いを描く。>>続きを読む

もち(2019年製作の映画)

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大切なことを忘れない為に、語り継ぐ。おばあちゃんの優しさも、仲間との思い出も、村を守ってきた祈りも。岩手一関市に息づく豊かな伝統文化を背景に、廃校間近の中学校に通う少女の目を通して描く、現在の北国の四>>続きを読む

赤い闇 スターリンの冷たい大地で(2019年製作の映画)

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豊穣の黒い大地であるはずのウクライナで、政策の失敗によって数百万の犠牲者を出す飢饉が起きている ・・1930年代、世界恐慌のさ中にも成長を続けるソビエトの隠蔽された内実。正気と狂気の逆転。権力側の圧力>>続きを読む

(2020年製作の映画)

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当代きっての美男美女と美しい風景が目白押しの絵の綺麗さと、泣かせに来てるの分かってるのに泣かされてしまう王道演出。脇を固める豪華俳優陣。贅沢な映画だった。その贅沢さをもってしても「糸」も「平成」も十分>>続きを読む

狂武蔵(2020年製作の映画)

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宮本武蔵vs吉岡一門四百人の闘いをワンカットで再現しようとした途方もない実験映画。坂口拓演じる狂武蔵が斬って斬って斬りまくるのに最初は痺れたが相手方が5〜6人くらいで殺陣を回してるのに気付いて何だか笑>>続きを読む

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー(2019年製作の映画)

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成績優秀、品行方正で卒業前日。高校生活ぜんぜん楽しめてなかった!仲良し2人気付いてからが早い早い。卒業パーティーに乗り込んで一晩で一気に挽回だ。
色んな奴いるけどわかり合おうとすれば人生は楽しい。底抜
>>続きを読む

インセプション(2010年製作の映画)

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誰かの夢、設計された夢、夢の中の夢。何層にも積み重なる夢の世界の底に潜って深層心理にアイデアを植え込みにいくという設定を思いつくアイデアがすごい・・そしてノーラン俳優目白押しですごい。時間経過トリック>>続きを読む

ソワレ(2020年製作の映画)

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思いがけない、でも運命的としか思えない出来事をきっかけに始まる男女の逃避行。愚かで刹那的かも知れない、ただ、二人にはその出会いとその旅こそが苦しみの生における希望だった。ロケ地紀州は美しかったけど、そ>>続きを読む

Reframe THEATER EXPERIENCE with you(2020年製作の映画)

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一体何処まで行っちゃうんだPerfume、の最前線へようこそ。より深く、より緻密にライブパフォーマンスと映像音響を再構築した2019年渋谷公会堂公演を映画館で。妥協を許さず徹底的に計算され尽くしたステ>>続きを読む

インターステラー(2014年製作の映画)

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人類の未来を賭けた宇宙冒険旅行をついにIMAXで堪能。星系も時空も次元さえ超えて広がる壮大なSFストーリーを結末づけるのが、最小単位の関係性である親子愛であるのが全くもってこの映画のエモさ。そして砂嵐>>続きを読む

宇宙でいちばんあかるい屋根(2020年製作の映画)

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ファンタジーでありながら、場面場面をとても丁寧に、役者の演技で伝えることを重視した映画だった。夜の屋上の狭いけど広大な宇宙に繋がる幻想的な空間での、10代の清原果耶と大ベテランの桃井かおり演ずる二人の>>続きを読む

ミッドウェイ(2019年製作の映画)

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太平洋戦争の趨勢を決する大海戦と、そこに至るまでの日米間の思惑や読み合いを描く。怒涛の戦闘シーンが大迫力。士気や練度が上がらないアメリカ、政治的な問題や慢心を抱えた日本側という描写もあり、結果は流動的>>続きを読む

僕の好きな女の子(2019年製作の映画)

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片思いの相手との関係性を壊したくないから、踏み込まないで勝手に傷ついている面倒臭い男の話。こちらが昔に地中に埋めた感情を散々掘り返した挙句、(そんな時代もありましたね、えへへ)と額縁にしまって美人の奥>>続きを読む

海の上のピアニスト(1998年製作の映画)

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船上で生涯を過ごした名も無きピアニストの美しい物語。汚れなき木の箱と一緒に彼は居なくなった。船を降りた僕らは生きて、彼が拒絶した無限の神の鍵盤に居場所を作らなければならない。どちらの人生に価値があるか>>続きを読む

劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2020年製作の映画)

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京都アニメーションの不屈を印象づけるフラッグシップ作品の劇場新作公開。圧倒的な作画は言わずもがな。名シリーズの完結編として、単なる時代の犠牲者としてではなく、過去と向き合いながら成長し、自らの人生を生>>続きを読む

君がいる、いた、そんな時。(2019年製作の映画)

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いじめられているマサヤの憧れの図書室のお姉さんには、何か秘密があるようで。そしてやたら絡んでくる謎の校内放送DJカヤマ君。三人三様の悩みがあって、互いには解決させることは出来ない。でも君がいると何故か>>続きを読む

TENET テネット(2020年製作の映画)

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全く理解は出来てないけどすげえ〜w単に時間を旅する作品は数あれど逆行/順行その発想は無かったわ。逆行時のマッドな映像音楽に頭が悲鳴を上げてちょっと酔う。息つく間もない2時間半の最後いろいろ収束させて「>>続きを読む

鵞鳥湖の夜(2019年製作の映画)

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中国南部の大都市、開発から取り残された鵞鳥湖界隈で繰り広げられる逃走劇。少ない台詞、ネオンの光と闇のコントラストで退廃的で幻想的な一夜を切り取る。犯行当日に出る報償金、食事中にお代を催促する店員、やた>>続きを読む

ミッドナイトスワン(2020年製作の映画)

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なんという映画だ。終映後すぐに席を立てない映画は久しぶりだった。背筋が凍るような社会の冷酷さ、運命の無情と、孤独な魂が寄り添う温かさ。惨めで苦しみしかないような人生が生み出した美しい宝石の話。うまく言>>続きを読む

フェアウェル(2019年製作の映画)

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末期がんの余命告知をするかどうか?から垣間みえる異文化間の価値観の違いを、普段国境を超えて離れて暮らす一つの家族の出来事を通して軽やかにコミカルに、優しい目線で描く。気づいているのかいないのか、お祖母>>続きを読む

星の子(2020年製作の映画)

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主人公の小さい頃の病気をきっかけに新興宗教に嵌った父母。多感な年齢になり、周囲と違う両親に戸惑いはするが、彼女はこのままがいいと思う。正しさや外聞関係なく、ただ大好きな両親を信じたい。そんなひとつの家>>続きを読む

スパイの妻(2020年製作の映画)

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公開待ちに待ってて終始ドキドキしながら観た、人を信じるとは何か、国を愛するとは何か、正義とは何か、不正義の上に幸福は成り立つのか。夫婦が愛し合うがゆえに、一手二手先を読み合うサスペンス。チェス盤の上の>>続きを読む

キーパー ある兵士の奇跡(2018年製作の映画)

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元敵国の英国で、捕虜から名門マンチェスターシティの守護神になったドイツ人GKトラウトマンの奇跡の半生。戦争の癒えない傷と憎悪による 生卵とブーイングの洗礼から、たゆまぬ対話と互いの寛容、そして人間性に>>続きを読む

ジオラマボーイ・パノラマガール(2020年製作の映画)

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再開発が進む東京湾岸、無機質な建物の合間に女の子と男の子の人生が束の間交差し、そこで恋が始まるまで。現在に過去が意図的に迷い込む演出があちこち。岡崎京子原作実写化で感じるえぐみはそれほどなくて、青春の>>続きを読む

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)

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夫に先立たれ子供とも疎遠になって老齢に差し掛かった桃子さん。一人暮らしは孤独でも、けして不幸なんかじゃない。愛の呪縛から解放され、寂しさすらおらが物とし、彼女は魂の自由を手にした。新しい女はこれからが>>続きを読む

ウルフウォーカー(2020年製作の映画)

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またしても最高にクールで独創的なアニメーションに出会ってしまった..荒々しい直線や螺旋模様を多用したこちらには存在しないセンスの圧倒的作画でひたすら感覚に訴えかけてくる、オオカミボールのスピード感、匂>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

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公開1ヶ月近いのに盛況の今年大本命映画、「覚醒の為の自死」のような際どさ鋭さと、登場人物の思考を洗いざらいの語りの多さ分かりやすさを同居させてしっかり面白い、そりゃ受けますわを体感してきた。といいなが>>続きを読む

ばるぼら(2019年製作の映画)

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物書きの元に転がり込んだ二階堂ふみ..の時点で蜜のあわれを思い出したけど始まってみると手塚治虫的エログロ色。彼女は夢か現実か、インスピレーションの化身とでも言うべきなのか。はじめ持て余し、次第に夢中に>>続きを読む

アイヌモシリ(2020年製作の映画)

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阿寒のアイヌコタンに暮らす少年が、自我の確立の時期に自らのルーツと向き合う物語。彼や彼を取り巻く大人たち、当事者による演技は抑制的だけどどんな俳優が演じるより現在のアイヌのリアルを映像に残している。主>>続きを読む

浅田家!(2020年製作の映画)

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その家族写真家はいかに家族を撮ったか。
ドタバタ家族コメディの前半から、震災後の写真洗浄のボランティアを始めてからの後半はガラリと雰囲気が変わったかにも見える。でも不自然さがないのは、方法が変わっても
>>続きを読む

夏、至るころ(2020年製作の映画)

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海のない町で育った少年に高3の夏に直面しそうで、思い悩みそうなあれこれ。先に進む親友、見えない未来、戸惑いあせる気持ちは普遍的で懐かしく、映画は落ち着いた温かいトーンで描かれる。飾らない田川の町と人、>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

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バナナの皮で滑って転んで骨折した友達の代理で、ウランバートルのアダルトショップの店番バイトを始めたサロール。見たこともない商品、クセの強そうな客たち。親の言う通りに事なかれで生きてきた彼女にはただでさ>>続きを読む