masayaさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.1

ピザが大好き、アニメが大好き、下水道から現れるカメのヒーロータートルズ!アメリカンコミックがそのまま動き出したようなスタイリッシュな映像、強さの源は友情とグッドバイブス!懐かしくて新しい、そして何より>>続きを読む

シーナ&ロケッツ 鮎川誠と家族が見た夢(2023年製作の映画)

4.1

ロックを愛し、ファンを愛しそして何よりもシーナと家族を愛した鮎川誠さんの生き様に迫る。日本のロックが暖かく僕らの日常を支える音楽になったのは、ロックのスタンダードを作った男がこんなにもカッコ良く、底抜>>続きを読む

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

4.4

アイドルから女優に転身した未麻に降り掛かる芸能界の闇やストーカー被害。追い詰められた彼女は次第に現実と夢、そして幻覚の区別が付かなくなっていく。今なお斬新で衝撃的、美しくて哀しい傑作。25周年記念上映>>続きを読む

アリスとテレスのまぼろし工場(2023年製作の映画)

4.2

止まった時間と、止まることなど出来ない人の心。画面一杯充満した岡田麿里世界観に度々気絶しそうになりながら、鬱屈した十代描写に共感性羞恥覚えながらも一気に突き進むストーリーの激流にラストまで押し流された>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

4.0

さざなみ一つ立たせず上手く取り繕ってきた筈の二重生活が、ある一点をきっかけに全て崩れゆくさま。冷え切った夫婦の綱渡りのような生活と、表層を取り払った後に初めて言うことが出来た本当の気持ち。主演二人の演>>続きを読む

さよならの朝に約束の花をかざろう(2018年製作の映画)

4.2

岡田麿里初監督作品、劇場では初鑑賞。壮大なファンタジー世界を単なる借景とせずストーリーテリングの推進力とする脚本の強かさ、分かっていても泣かされてしまう終盤の畳み掛けの破壊力。間違いなく全人類観るべき>>続きを読む

星くずの片隅で(2022年製作の映画)

4.4

街角から一つまた一つと灯りが消えていき、未曾有のコロナ禍が追い打ちをかける。大きなものが幅を効かせる。取るに足らない私達など、神様でさえも見逃すだろう。でも、そんな時代だからこそ、人としての高潔さと隣>>続きを読む

ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

4.2

家族でヴァカンスに訪れた湖畔で、久しぶりに会った幼なじみがいつの間にかどこか大人びていて、少年の夏はいつもとは少し違う。14歳男子と16歳女子という破壊力ある組み合わせと水死した幽霊の噂。初恋の始まり>>続きを読む

アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

4.0

それは1955年、砂漠の町とそこに集まった人達に起きた出来事についての、とびきり奇妙な舞台演劇。それは地平線の果てまで続く巨大で美しいカキワリの世界。物語の中に描かれた作家の人生、演技に込められた演者>>続きを読む

緑のざわめき Saga Saga(2023年製作の映画)

3.6

偶然とも必然ともなく巡り合う3人の女性。彼女達には、共通の出生の秘密があった。男の身勝手な罪による傷は消えなくても、恨みや憎しみに支配されるのではなく未来に目を向ける。テーマが鋭かった分語り口の拙さが>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.3

湯布院映画祭・特別試写にて鑑賞。
日本の恥ずべき歴史である関東大震災後の朝鮮人虐殺。その狂気の一つの表象である福田村事件を真っ向から描き、日本社会の宿痾たる集団心理の暴走を暴く。目を背けたくなる、でも
>>続きを読む

17歳は止まらない(2023年製作の映画)

4.0

湯布院映画祭にて鑑賞。
農業高校の畜産科に通う普通の女の子。動物が大好き、自分をかわいいと思ってる、同世代の男子は退屈、ダンディなモリ先生が好き、好き、好き、好き・・思い込んだらもう止まらない。可愛く
>>続きを読む

春に散る(2023年製作の映画)

4.2

かつて世界を目指し諦めた老年の男と、今まさに挫折しかけていた若い男が出会い再び世界に手を伸ばす、ボクシング映画の新たな傑作!過去も未来も、家族も生活も、今この一瞬の為に全てが研ぎ澄まされていき、歓声も>>続きを読む

リボルバー・リリー(2023年製作の映画)

3.7

美しい元女スパイがドレス姿で拳銃をぶっ放しまくる絵は間違いなく格好良いし、主役綾瀬はるかさんも大正解なのだけど、映画としてはそれ以上でもそれ以下でもなかった。敵役の陸軍弱すぎたし・・躍動感のあるアクシ>>続きを読む

バービー(2023年製作の映画)

4.2

世界中の少女の憧れバービーの物語であり、同じくらいボーイフレンドのケンの物語だった。バービーランドは男女逆転した現実の鏡で、ポップなのにどこか空疎さを感じる。誰かが自由に生きる為に、他の誰かに不自由を>>続きを読む

古の王子と3つの花(2022年製作の映画)

4.0

物語が始まる。物語に身を委ねれば、想像力は時空を超えてはばたくだろう。美術館の絵画から抜け出してきたような美麗なアニメーションとミッシェル・オスロの現代的な語り口が、観る者を国も時代も違う3人の王子に>>続きを読む

特別編 響け!ユーフォニアム アンサンブルコンテスト(2023年製作の映画)

4.0

久美子が部長になった北宇治吹奏楽部は小編成アンサンブルコンテストの校内予選に臨む。技量も経験もバラバラなメンバーを新米部長がどうまとめるか。多難な滑り出しの中、自分の癖に気づき、仲間の特徴を知ることで>>続きを読む

658km、陽子の旅(2023年製作の映画)

4.1

故郷を捨ててから二十年。何者にもなれないまま無為に生きる陽子の元に、疎遠だった父の訃報が届く。もう一度会いたい。出棺は近い。寄る辺もない帰郷の旅が始まる。
時は癒しもするが、取り返しもつかなくさせる。
>>続きを読む

キングダム 運命の炎(2023年製作の映画)

4.1

遂に百人隊長を任された信の新たな戦い!刻一刻戦況変わる戦場での将軍たちのマクロ知略戦と一兵卒の無双バトルアクションをシームレスに織り込む面白さに安定感出てきた。王になる前の政のエピソードも印象的。中華>>続きを読む

山女(2022年製作の映画)

4.0

冷害による飢饉が何年も続く18世紀の東北の農村。村八分を受けている家の娘が、親の罪を被って山に入りやがて山女として畏れられる存在になる。制度化した差別と、唯一解放する神懸かり。日本の民話や伝説に現れる>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.5

凄かった・・期待遥かに先を行った傑作。何も情報ない状態からの、どこへ連れて行かれるか、どこまで連れて行かれるかの飛距離の遠さに震えた。そこには混じりっけなしの混沌という訳の分からないものがあり、他に類>>続きを読む

アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

4.0

甘くて冷たくて、出来上がった刹那に溶けていく。束の間の夢みたいなアイスクリームと二重映しにして、大都市の片隅で今を生きる女性の群像を斬新なセンスの映像編集と音楽、印象的な会話劇で切り取る。女の子が2人>>続きを読む

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.7

大好評&物議を醸した台湾のヒット作を男女逆転・京都を舞台に移しリメイク。オリジナルの妄想チックな文系SF感は再現されてて、オフビートさは薄れたけど主演の岡田将生さん清原果耶さんのチャーミングさや天橋立>>続きを読む

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

4.1

東欧の小さな町。ウクライナ、ポーランド、ユダヤの3家族が肩を寄せ合うように生きる家。戦争は国を持たぬ民族から全てを奪っていき、残された娘達の命は一人の女性に託される。多文化を尊重し、誰もが安心して生活>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.2

SF的展開からは一番縁遠そうな京都貴船の老舗旅館で、突然始まる2分刻みのタイムループ。唐突&間隔狭!何で?最初は皆戸惑うけど、サイクル理解してきたら各々でその区切られた時間の意味が違ってくる。このドタ>>続きを読む

マルセル 靴をはいた小さな貝(2021年製作の映画)

4.1

隠れるように生きてきた小さな貝がらのマルセルが、新しい同居人ディーンのネット配信をきっかけに外の世界の存在を意識する。世界は途方もなく広くて遠く感じるけど僕の中にも確かにある。可愛くて息遣い感じるよう>>続きを読む

探偵マリコの生涯で一番悲惨な日(2023年製作の映画)

3.7

行き交う人の数だけ事情があって、いつも誰かが何かを探しているハードボイルドで胡乱な街・新宿歌舞伎町。探偵業を営むマリコの元に、風変わりな依頼が入る。「この街に紛れ込んだ宇宙人を捜してくれ」マジ混沌のオ>>続きを読む

横道世之介(2013年製作の映画)

4.8

高良健吾さんトークイベント付き上映会にて観た。

北九州の困窮者支援NPO団体のプロジェクトに高良さんが共鳴し実現した上映会。偽ることなく自分であること、目の前の人と真摯に向き合うこと。普通であること
>>続きを読む

君は放課後インソムニア(2023年製作の映画)

4.0

不眠の夜と絶望の朝を繰り返していた少年が、学校の使われなくなった天文台で一人の少女と出会う。胸の高鳴り、安らげる居場所、そして瞬間と永遠。青春映画の粋を集めた純度の高いボーイミーツガール/ガールミーツ>>続きを読む

さよなら萩ツインシネマ(2023年製作の映画)

3.9

新幹線も無い、高速も繋がってない日本一行き辛い町の中途半端に古い映画館、でも何か良い感じそれが萩ツインシネマ!映画祭開いても関係者しか来ないしもうやめる。やけっぱちの変人支配人スミコさんの周りは波乱だ>>続きを読む

縁石(2023年製作の映画)

3.7

別府短編映画プロジェクト第3弾は齊藤工監督作品。都会で消耗した男が逃げるように帰ってきた故郷別府、そこは人種も性別も、過去も未来も、宇宙人も地球人もひっくるめて「気が済むまでここに居ていいよ」の癒しの>>続きを読む

のさりの島(2020年製作の映画)

4.4

オレオレ詐欺の男が天草の楽器店の女店主に言葉巧みに取り入るが、このお婆さんが超食わせ者で、二人の奇妙な同居生活が始まる。戸惑う男、とぼけ顔の店主。嘘と嘘が噛み合った毎日。彼女の人生とリンクする、寂れた>>続きを読む

M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

4.0

夢のお友達ロボットのミーガン、一緒に遊んで、歌って、絵を描いて、そして守ってくれる・・‼︎高度な学習能力のおかげでバリエーション豊かになる狂気がしっかり怖いAIホラー。闇堕ちしたアイうたであり、幼い少>>続きを読む

逃げきれた夢(2023年製作の映画)

4.2

高校教諭を勤めあげ定年間近の男が、自らの病をきっかけに人生を見つめ直す。順風満帆とは言えないまでも、まずまずだと思ってきた今までの生き方だけど、改めて家族や友人と向き合ってその噛み合わない会話に気づか>>続きを読む

水は海に向かって流れる(2023年製作の映画)

3.9

怒りも悲しみも心の奥にしまって、一人だけ時間が止まったように生きてきたその人に、前を向いて歩き出してほしい。傷付いた大人女性と真直ぐな少年という一部性癖に突き刺さりまくる関係性にポンコツだけど優しい大>>続きを読む

劇場版 優しいスピッツ a secret session in Obihiro(2023年製作の映画)

4.2

メジャーデビュー30年のスピッツ。帯広の築百年の建物で行った無観客ライブを気鋭の松居大悟監督が撮る。メロディアスなセットリスト。リラックスしたメンバー。温かな光と色の効果でいつも以上に親密さを感じるラ>>続きを読む