masayaさんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

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DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)

2.9

 端的に「ヤバい映画」。平凡な日常から奈落の底に落ちるのに、一つのきっかけがあれば良い。匂わせとか伏線とか何もない。これがソビエトだと。全体主義が狂気ならば、その完全再現プロジェクトもまた、狂気の為せ>>続きを読む

シカゴ7裁判(2020年製作の映画)

4.1

 ベトナム反戦デモで起きた暴動の首謀者として逮捕起訴された、7人の立場も主張も異なる活動家たち。反体制への見せしめの為の、有罪ありきの理不尽な裁判で、自らの信念を貫き通す為に取った最後の一手とは。自由>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.2

 地方出身のミキと上流家庭のお嬢様のハナコ、出会う筈のない2人の女性が出会うことで浮き彫りになる、現代の生き辛さや閉塞感の根底にあるもの。それは階層間だけでなく、階層の内側で脈々形作られていた。これは>>続きを読む

春江水暖~しゅんこうすいだん(2019年製作の映画)

4.1

 人生は滔々たる大河の流れのように。変わりゆく時代の中国の地方都市に暮らす年老いた母と4人兄弟の家族の小さな出来事の一つ一つを四季と共に描く。孫娘の河畔デートの一部始終、恋が始まるまでを切れ目なしに映>>続きを読む

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

4.3

 自由奔放で直情径行で、優しくて愚かな佐々木。彼は居なくなった。本当に居なくなってしまったのか?劇場を出て、彼自身の放つ眩い光にかき消されて見えなかった孤独を、焦りと苛立ちを、ふと思い起こす。彼は居る>>続きを読む

あの頃。(2021年製作の映画)

3.7

 ハロプロきっかけで集まった仲間たち。あんなに目の色変えてたあややは次第に話題に出て来なくなり、彼らの不思議な連帯感を中心に描く。全然良い奴じゃないし何ならムカつくけど、共有した記憶に何故か胸が熱くな>>続きを読む

私をくいとめて(2020年製作の映画)

3.8

 賑やかでいて作り込まれた大九監督作品マジックに魅了され、のんさんの眩しすぎる存在感に当てられる。映画としてはとても楽しんで観た。残念ながら物語の肝である脳内相談役Aとのやりとりは今一入り込めなかった>>続きを読む

魔女見習いをさがして(2020年製作の映画)

4.1

 大好きなアニメの聖地巡礼で偶然出会った3人が、同じものが好きというだけで友情を育み影響しあって前に進む勇気を得るっていうそれこそ作品が生んだ魔法じゃん!さがしてた魔女見習いって自分たちなんだってタイ>>続きを読む

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

3.9

 この時代の為の「希望のジョゼ」。同じ枠組に肉づけの仕方一つでここまで原作とも実写版とも風合いの変わった物語が生み出されるとは。それでも人が他者と相対することで、昨日までとは決定的に違う自分になる、出>>続きを読む

Away(2019年製作の映画)

4.0

 不時着した青年が不気味なくらやみ巨人の追手を逃れバイクでひた走る、この上なく美しくミステリアスな大地。寓話性とか比喩とかは後で考えよう。まずは経験したことのない文脈が息づく、国籍のない新しいアニメー>>続きを読む

大コメ騒動(2019年製作の映画)

4.0

 時は大正、高騰を続けるコメ価格に立ち上がった富山の嬶(かか)たち。高尚な思想や借り物の正義感からではない。このまま口を噤んでいては大事なものを奪われ続けてしまう、彼女たちの必死さが社会を動かすまで。>>続きを読む

ミッション・マンガル 崖っぷちチームの火星打上げ計画(2019年製作の映画)

3.9

 米露に続く宇宙大国を目指すインドの科学者たち(踊る)が一発大逆転の火星ロケット打上げを目指す宇宙開発ロマン。爆音バキバキのボリウッド音楽が響く宇宙空間はなかなかに未知の映像体験だったし、ロケットが重>>続きを読む

福岡(2019年製作の映画)

4.1

 謎めいた少女ソダムに導かれ訪れた異国の地に待っていた28年ぶりの再会。失われた年月は他の人には理解し難いだろうし、暖め続けた想いは何も残さない虚しいものかも知れない。だからなんだと言うのか。そこにあ>>続きを読む

FUNAN フナン(2018年製作の映画)

3.9

 1975年カンボジア。クメール・ルージュの支配が始まり、都市住民は強制的に農村に追われる。そんな最中子供と離ればなれになった夫婦の物語。ただ息子と再会する為に、そして生きる為に耐えるしかない日々を描>>続きを読む

恋する遊園地(2020年製作の映画)

3.8

 彼女が恋に落ちたのは、遊園地の絶叫マシンだった。奇想天外な着想に怯むけど映像の美しさに説得されてしまう。多様性のメタファなのは分かるし、序盤に仲良し母娘ぶり見てるだけにカミングアウトされた時のママの>>続きを読む

おもいで写眞(2021年製作の映画)

4.0

 お年寄りの遺影写真って、何故かいつもピンボケ。そのぼやけた表情にその人の人生の喜怒哀楽は写しきれない。元気なうちに、遺影写真を取りませんか?それは今までの人生を再定義し、これからの人生の解像度まで上>>続きを読む

陶王子 2万年の旅(2021年製作の映画)

4.0

洋の東西問わず、人々を魅了し続ける陶磁器。母なる土と父なる炎、大自然の力と美を取り込もうとした人間の弛まぬ探究心が生み出した土の器が辿った、2万年の進化の旅路。ナビゲート役の陶王子が旅を経てアップデー>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

4.6

 世界中の奇跡が2人を選んだかのような特別な恋の始まり。始まった瞬間に生まれる終りへの不安。予感に導かれるように、やがて恋は輝きを失う。2人は決める。始まれば終わるのが恋なら、私達の恋は終りも特別にし>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.2

 平成から令和、時代の流れに取り残されて衰退しゆくヤクザに理想化された家族を見出した孤独な男。家族に殉じて刑期を過ごした彼の空白の年月は、彼と彼の愛する者たちから容赦なく居場所を奪っていた。綾野剛-オ>>続きを読む

羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

4.5

 面白い!単純な勧善懲悪に収めず、主人公が自分で考えて選択した結果としてストーリーが進んでいく。魅力的なキャラクターたちが縦横無尽に飛び回るメチャ高クオリティのアクションシーンも、味わいあるギャグシー>>続きを読む

ディエゴ・マラドーナ 二つの顔(2019年製作の映画)

4.1

 貧民街からやって来た青年ディエゴと、史上最高のサッカー選手マラドーナという二つの人格。天才の持つ二面性。繊細で人間的な本来の彼を蝕んだのは何だったか、栄光に包まれていた彼を何が破滅に追いやったか。英>>続きを読む

すばらしき世界(2021年製作の映画)

4.2

 長い刑期を満了し、堅気になると誓って出て来た外の世界。一旦はみ出した者に社会の目は厳しく、受け皿として機能していた極道は衰退していた。普通に生きる難しさを知り、それでも歯を食いしばって地道に生きてい>>続きを読む

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