桃龍さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

異人たち(2023年製作の映画)

3.0

ゲイは差別しないが好きではない。
それによって山田太一の原作が別ものになっている。
リメイク元の大林宣彦監督や脚本の市川森一さんに、どう思うか聞いてみたい。

異人たちとの夏(1988年製作の映画)

3.5

2019-01-10記。
異人という呼びかたに違和感があるのでスコア0.5マイナス。
ネタバレになるので理由は言えないが、もっといい言葉がある気がする。

鶴太郎の演技、いいね。こんなにうまかったっけ
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単騎、千里を走る。(2005年製作の映画)

3.0

『劇場版 再会長江』の冒頭で、さだまさしの『長江』と共に紹介されたので観賞。
確かに『長江』から24年ぶりに、長江が流れる古都・麗江で、日中合作映画が撮影された。しかも主演は高倉健、監督はあのチャン・
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長江(1981年製作の映画)

3.5

1981年なら、自然は手つかずで、撮影は今より数段たいへんだったはず。
さだまさしは金利を含めて35億円の借金を背負ったのでスコア3.5。
「長江の最初の一滴が見たい」というのが目標で始まった作品だが
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劇場版 再会長江(2024年製作の映画)

3.5

長江の途中にある武漢ウィルスのパンデミックと撮影が同時期なので、中国なのに人がいない貴重な映像だと監督が言っている。

内容は"開発独裁"という言葉の実写化。
大規模インフラの開発には、意思決定や立ち
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再会長江(2023年製作の映画)

4.0

YouTubeにEP.1~9があったので見た。中英字幕と日本語字幕があるので注意。
劇場版とは逆に長江を下ってゆくので、最初は高山病の洗礼。源流は標高5000mを超えていることに驚く。
シャングリラか
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釣りキチ三平(2009年製作の映画)

4.0

これいいね。さすが滝田洋二郎監督。
なにしろ秋田の自然が美しい。山に行きたくなった。
偶然に左右される釣り糸や魚は、今をときめく白組がCGで補完している。

須賀健太はぴったりだし、まだ少女の土屋太鳳
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リバー・ランズ・スルー・イット(1992年製作の映画)

3.0

2020-09-20記。
"魚を殺したり傷つけたりしていません"とエンドロールに出てくる。
針をアゴに引っ掛けるのは、傷つける行為には入らないのだろうか。
そもそも釣りというのは殺して食べるためにやる
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楽園の夜(2019年製作の映画)

3.5

たけちゃんの『ソナチネ』のリメイクに近い。
自分の頭に銃を向けるとか、全体の雰囲気とか。
それに、朝鮮半島に対する済州島は、日本本土に対する沖縄のポジション。私が行ったのは30年ぐらい前だけど、新婚旅
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貴公子(2023年製作の映画)

3.5

タイトルからして女性むきかなと、二の足を踏んでいた。
しかし、韓国通の山口由里さん(東海ラジオパーソナリティ)と映画パーソナリティの松岡ひとみさんのトークショー付きの回があったので行ってみたら正解だっ
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Returner リターナー(2002年製作の映画)

4.0

2016-08-28記。
SFとしては素晴らしいけど、映画としては観客が限定されるため、大ヒットは難しい。
たぶん山崎監督はそう考え、このあと万人ウケする『ALWAYS三丁目の夕日』に転んだんじゃない
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キャプテン・ノバ(2021年製作の映画)

3.5

環境が破壊された地球の過去を変えるために跳ぶ、タイムトラベルもののジュブナイル。オランダ製。
サクッと見れて、オッサンの俺も楽しめた。
今をときめく山崎貴監督の『リターナー』を思い出す。
たぶん予算は
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フォロウィング(1998年製作の映画)

3.5

『フォロウィング 25周年/HDレストア版』を劇場で見てよく分からなかったので、DVDをレンタル。
そしたら特典映像に、「クロノロジカル・シークエンス再生」という、時系列順にするボタンが。痒いところに
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フォロウィング 25周年/HDレストア版(1998年製作の映画)

3.0

あのクリストファー・ノーランのデビュー作のレストア。
なら見ないわけにはいかないので劇場へ。
いつも映画館ではビール飲むので、ちょっとウトウトして後悔。
1時間ちょっとなので、もっと集中して見るべきだ
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最後にして最初の人類(2020年製作の映画)

1.0

2021-07-23記。
原作本がアマゾンにもないマイナー小説の実写化。
いや、俳優は出て来ず朗読だけなので実写化とは言えない。その朗読も時々なので、まとめると15分ぐらい。
内容は20億年も先の話で
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ゴッドランド/GODLAND(2022年製作の映画)

3.0

自然の大きさを描く作品かと思いきや、人間の小ささを描いた作品だった。
自然の大きさは、画面が3:4で角が丸くなっていて、意図が分からない。
人間の小ささは、牧師の行動に出ていて、これも意図が分からない
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ハーダー・ゼイ・カム(1973年製作の映画)

3.5

ジャマイカ初の商業映画らしい。
『ボンゴマン ジミー・クリフ デジタル・リマスター』に出てくるので観たいと思ったら配信ですぐ見れた。いい時代になったなぁ。
主演と音楽はジミー・クリフで、なかなかの芸達
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ボンゴマン ジミー・クリフ デジタル・リマスター(1981年製作の映画)

3.5

ジミー・クリフは、ボブ・マーリーの3歳下。
極貧から成功した、もうひとりのレゲエスターのドキュメンタリ。
カリスマとなったボブ・マーリーに対し、ジミー・クリフの方が親しみやすく、曲もキャッチーなものが
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ノーマル・ハート(2014年製作の映画)

4.0

最初、エイズは"ゲイ・キャンサー"と呼ばれていたのか。
潜伏期間が長く、発症すると高い致死率とは、神はなんと残酷な…。
原因も感染経路も不明のまま、ゲイばかりがどんどん死んでゆく。
次は誰だ?自分か?
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ダラス・バイヤーズクラブ(2013年製作の映画)

4.0

2020-11-23記。
『北北西に進路をとれ』は ロック・ハドソンでなく、ケーリー・グラントだよね。主人公の口からデマカセぶりを表現してるのかな。
それはともかく、なんと言ってもマシュー・マコノヒー
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薬の神じゃない!(2018年製作の映画)

4.5

2020-10-19記。
マスクは相手に失礼だろ!と主人公が怒るシーンがある。
武漢ウイルスより前の作品なのに皆マスクしてるのは、白血病の人は感染症に弱いから。これが重要な伏線となっていて、終盤に号泣
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ペイン・ハスラーズ(2023年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリ『美と殺戮のすべて』に出てくるオピオイド禍が題材。
アメリカでベトナム戦争より多くの死者を出したという実話がベース。

新しい鎮痛剤を法律スレスレの方法で医師に売り込み、難病の娘を持つ
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クライシス(2021年製作の映画)

3.0

シンプルなタイトルなので、オピオイド問題に深く切り込むのか?
と期待したが、ドラッグの運び屋にされた学生の母親、そのドラッグの元締めの組織への潜入捜査官、オピオイド系の薬を研究している大学教授、という
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美と殺戮のすべて(2022年製作の映画)

3.5

ナン・ゴールディンはアメリカの写真家で、作品のテーマは、愛、ジェンダー、家庭、セクシュアリティーなど。あの天才アラーキーと組んだ写真集「TOKYO LOVE」もある。

…という内容のドキュメンタリか
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あと1センチの恋(2014年製作の映画)

4.0

幼なじみモノのラブコメ。笑って泣ける傑作。
いま公開中の韓国人カップルの幼なじみモノ『パスト ライブス/再会』は、アジア的で静かな作品。
それと比べると、まさに欧米的で賑やか。
今どきの言い方だと、ロ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

3.5

幼なじみモノの傑作『あと1センチの恋』を動とするならば、静。
あれを欧米的とするならば、アジア的。
ふたりのラストシーンは、音楽なしだった。
24年間が、帰り道で沁みてくる。

きっと、星のせいじゃない。(2014年製作の映画)

3.5

『⼈⽣って、素晴らしい/Viva La Vida』が良かったので鑑賞。
ふたりとも難病という状況が似ていて、欧米とアジアの違いが出ている。欧米はスマート、アジアはガチャガチャ。詩的なセリフが散りばめら
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人生って、素晴らしい/Viva La Vida(2024年製作の映画)

4.0

みんなこれを観ろ!と言おうと思ったら、たった4館で1週だけか。
日中関係が影響してるのか?
日韓関係が最悪だった頃に9館だけで公開された傑作『EXIT』の状況に似てる。作品には関係ないのに。

腎疾患
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ピストルオペラ(2001年製作の映画)

3.5

鈴木清順も晩年になり、賞が欲しかったのかな。
世界の山口小夜子を使って、DVDに「ベルリン映画祭用特報」や「ヴェネチア映画祭レポート」が入ってる。
オペラ要素はない。あれば良かったのに。

江角マキコ
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殺しの烙印(1967年製作の映画)

3.5

殺し屋に組織内で序列がある設定は面白い。
やたらとおっぱいが出てくるのも良い。
ただし、殺し屋ナンバー1のキャラ設定はアイデア不足。
真里アンヌかもと思ったが、それだと『ピストルオペラ』か。

排水管
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シャドー・メーカーズ(1989年製作の映画)

3.5

同じ題材の『オッペンハイマー』より面白い。
マット・デイモンが演じた軍人を主役にして、ポール・ニューマンが演じる。
『オッペンハイマー』にはない被曝エピソードから、本当の恐ろしさが伝わってくる。

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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.0

なぜこれがアカデミー賞なの?
なぜこれを『バービー』と一緒に宣伝したの?
原爆開発が題材というインパクトだけ。映画としては駄作。
IMAXで見て損した。
同じ題材なら『シャドー・メーカーズ』の方が普通
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夕陽のギャングたち(1971年製作の映画)

3.0

セルジオ・レオーネ監督の、"ドル3部作"に続く"ワンス・アポン・ア・タイム3部作"の1つ。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト』と、これと、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』
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荒野の用心棒 4K復元版(1964年製作の映画)

3.5

『用心棒』のパクリだと言われているが、それは骨子だけ。
クロサワへのリスペクトは感じられるし、これによって西部劇の面白さを日本人が知ったし、なにより映画としてよくできている。

それに、いまWikip
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夕陽のガンマン 4K復元版(1965年製作の映画)

3.5

マカロニ・ウエスタンは、本家アメリカ西部のモニュメント・バレーみたいに巨岩のある雄大な風景がないのが欠点。
だが、それをストーリーがカバーしている。
スペインの砂漠にはエル・パソの町並みのセットが残っ
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続・夕陽のガンマン/地獄の決斗 4K復元版(1966年製作の映画)

3.5

"ドル3部作"の時系列は、この『続・夕陽のガンマン』→『夕陽のガンマン』→『荒野の用心棒』である(つまり公開順と真逆)。
もちろん話は繋がってない。
が、わざわざ4Kリマスタ版を見直す以上、映画ファン
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