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本作は私のような成瀬ファンをまた一段と成瀬好きにさせる映画である。高峰秀子とのタッグはとにかく間違いがない。台詞がなくとも目線だけで語るべきを語ってしまう演技力、本作で衣装を担当してしまうような多才さ>>続きを読む
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原作を読み、本作の最後にあたる場面を読んで黒澤は映画にできると確信したという。なるほど、本作はある意味で最後のシーンをやるために作られた映画と言っても過言ではないように思う。あの日、自分の愛した人を思>>続きを読む
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これは大好きな成瀬映画の中でも特に好きな作品。これまで川端康成の小説を原作とした映画をいくつか観てきたが、ここまで小説の読了感と遜色ない感覚を観賞後に得る作品もなかなか稀有だろう。それほどまでに成瀬の>>続きを読む
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ミニシアターで上映していて観るかどうかずっと悩んだ末、観なかった本作。配信が始まり、迷わず観ることにした。本作に対して私が語れることはほとんどないように思う。ひとつだけあるとしたら、同性愛者も異性愛者>>続きを読む
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映画を映像演出や演技以上に物語として観るのが好きな私にとって、本作はどうも受け付けられない。最後にギャンブルではなく愛を選んだこと以外、私には全てが間違っているように感じたからである。
ギャンブルを>>続きを読む
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こういう時間を扱ったSFモノは設定をどれだけ作り込めるかと作品内での自己矛盾をいかに避けるのかが肝なのだが、本作はその辺が結構グレーであるように感じた。
展開が早いために何となく「そういうものか」と>>続きを読む
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確かにこの世では誰もが飾って生きているのだが、本作は主人公たちの飾った姿よりも飾らない姿を軸に描いていたために、モノクロの画面が象徴するような虚無感を得ることができなかった。個人的には見栄を張る姿を軸>>続きを読む
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動いているクリント・イーストウッドを観ているだけで感動してしまった。作品の好き嫌いはあるかもしれないが、これだけ長い間役者として、監督として活躍してきた彼には尊敬の念しかない。活躍し続けることが難しい>>続きを読む
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「歴史の陰に女あり」とはよく言ったものだが、シェイクスピアの『Macbeth』のように全てを手に入れた男が全てを失う背景で狡猾な女性の手が影響を及ぼしている代表的な例だろう。裏切りに次ぐ裏切り。現代を>>続きを読む
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成瀬好きが高じて遂にMasterworksが入ったDVD Boxを買ってしまった。本作はその中の一作、まだ観たことのない作品。この作品を観て真っ先に感じたのは、本作が今までの成瀬の得意な演出を基にしな>>続きを読む
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誰もが憧れる夫婦は結婚生活25年目にして別居を決意した。しかし、そこに飛び込んできた娘の結婚のニュース。せめて結婚式を終えるまでは、、と娘の前で仲の良い夫婦を演じようとするが、それもなかなかうまくいか>>続きを読む
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経営難を何とか乗り切ろうとするL.A.のコミュニティシアターで起こる恋のマジック。父親が手塩をかけて守ってきた劇場を何とか再建しようと奮闘する売れない脚本家のティファニー。父親の経営する不動産会社の再>>続きを読む
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こういう映画、個人的にとってもツボ。何が面白いのかは良く分からないのだが、いつまでも観ていられるような優しい時間がそこには流れているのである。
本作はフィクションのような、ノンフィクションのような不>>続きを読む
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最近の中国映画は秀作が多い。去年の暮れから3作ほど新作を観てきたがどれもハズレがないのはもちろんのこと、どの作品にもそれぞれ頭ひとつふたつ抜きん出た良さがあるから、また観たくなる。
本作はちょっと不>>続きを読む
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こういうワンシチュエーションものの映画はかなり好みの部類なのだが、どこか心にモヤモヤが残った感じもあった。今回はそれ以上に単純な興味として頭の中に浮かんだことがあったのでそのアイデアを書き残したい。>>続きを読む
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どうしても扱っている題材の類似性から『君は永遠にそいつらより若い』と被爆している自分がいた。実際は全く別物の映画だったのだが…
正直本作の何が良くて、何が悪いのかわからない。自分が好きなのかどうかも>>続きを読む
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良い映画だった。手紙を物語の推進力として用いる映画はうまくいかないことが多いのだが、本作の雰囲気は手紙だからこそ生み出されているもののように思う。
派手なラブシーンやクサイ台詞もない。ただ2人が見つ>>続きを読む
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全体的に評価は低いが、個人的には好きなタイプの映画。学部生のときに嫌というほどラブロマンスを観てから最近までこのジャンルを避けてきたのだが、改めて観てみると気楽に観られて案外良いものだなあと感じる。>>続きを読む
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原作ファンとしてどのような仕上がりになっているのか気になって鑑賞しては観たものの、原作の良さを踏襲しているとはあまり思えないというのが正直な感想である。
まずもって全体的にメリハリがなく、雰囲気が暗>>続きを読む
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シェイクスピアの『マクベス』を光と影の名手A24が作ると聞いて観ないわけにはいかない。事実、原作に忠実にお堅くまとめてきた印象を受けた。
一方で『蜘蛛巣城』のインパクトがあまりにも強いために「原作に>>続きを読む
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恥ずかしながらケン・ローチ監督の作品を初鑑賞。学部時代の恩師からずっと勧められてきたが、なかなか気分が乗らずに放置していたところ、彼の長編デビュー作を近場の映画館で上映するということで鑑賞を決めた。>>続きを読む
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キングスマン・エージェントの過去を堅実にまとめてきたという印象。前作までのパーっとした感じを期待していた私としては、少々残念である。こういうアウトロー的な雰囲気のイギリス・スパイ映画は007だけで十分>>続きを読む
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今年は勉強も兼ねて短編・中編も観ていきたい。尺が短ければ短いほど、世界観の作りこみや主題の選択が難しくなるからである(もちろん短編・中編・長編それぞれの難しさがある)。私も自分で映画を撮るなら短編から>>続きを読む
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ルビッチの『街角』が良かっただけに本作にも期待をしていたのだが、期待していたほどに面白くなかった。コメディとはいえ、やはり物語に政治(というより思想)の問題が絡んでくるとここまで面白くなくなるものかと>>続きを読む
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2022年の映画初め。前作を忘れないうちに、、と『三丁目の夕日』シリーズの最終作を鑑賞することにした。
今回も賛否はあるかもしれないが私はとても好きな作品だ。シリーズを通して観ると登場人物の成長が見>>続きを読む
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2021年の映画納め。今年に限って言えば418本観たらしい。仕事をしながらとは言え、我ながら本当によく観た。
さて本作は主人公の妾が自分の娘婿と不倫関係になり、その結果、娘が離婚することになるという>>続きを読む
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本作を観ると改めて私が文芸モノ、特に庶民の視点から庶民を描いた作品が好きなのだと感じさせられる。
前回よりも'60年代のダークな部分に触れ、重い雰囲気も漂っていたがそれでも最高の面白さだった。
や>>続きを読む
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渥美清さん没後1年に作られた特別篇を既に観ているので、オリジナルとの違いだけ手短にチェック。
違いはと言えば冒頭の鼠小僧の下りだけ。確かに本作はどこをカットしてもダメな気がする。
個人的には最後の>>続きを読む
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定期的に観たくなるジャック・タチ。作品自体はとても好きなのだけれど、毎回コメディとしての面白さにはどうしても疑問を持ってしまう。やはりコメディと言うと派手なアクションやシチュエーションの変化を期待して>>続きを読む
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久しぶりのヒッチコック。イギリスらしい陰鬱さと重厚感は相変わらずである。冒頭数十分こそ今まで観てきた作品と比べて物足りなさを感じる展開ではあったが、物語が進んでいくにつれて誰が本当の犯人なのか、事件の>>続きを読む
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原作があまりにも有名なために本作に対する評価は賛否が別れるだろう。個人的には原作が持つイギリスの陰鬱な雰囲気とタイトル通りの緊張の糸を張りつめたような展開が好きなのだが、本作も本作でなかなか悪くない。>>続きを読む
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カタチはどうあれ誰もがお互いを思いやり、明るい未来を信じて支えあいながら生きていた日本。そんな時代の明るい側面だけを描いたノスタルジックな映画という批判もあるかもしれないが、明るさの裏にある闇がふとし>>続きを読む
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ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞して以来、公開を待ち望んでいた本作をようやく観ることができた。受賞が決まってから『ドライブ・マイカー』を先に観ることになり、その出来が良かっただけに本作にも期待していた>>続きを読む
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最近なぜだか『アパートの鍵貸します』という名前をよく聞く。その制作陣が再集結して作った作品となれば観ないわけにはいかないだろうということで、『アパートの鍵貸します』より先に本作を観てしまった。
良い>>続きを読む
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原作を読んだ後に映画があることを知り、こんな話をどうやって映画にするんだろうと疑問に思ったことを当時からだいぶ経った今でも覚えている。結論、原作の雰囲気そのままに三島らしい人間の美しさと醜さの両極端を>>続きを読む