nt708さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

nt708

nt708

映画(722)
ドラマ(0)
アニメ(1)

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

語るべき要素が多すぎてどこから触れたら良いのかわからないのだが、ひとつ言えるとしたら本作を観る前後に食事をする予定や、座席に食べ物を持ち込むのはやめたほうが良いということだろうか。本当に自分も船酔いに>>続きを読む

エンドロールのつづき(2021年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

正直そう来たかと…サイレントがトーキーになったように、フィルムがデジタルに切り替わったタイミングもあるわけで…その切なさを描いている点ではかなりユニークな映画な気もする。

ここ数年、映写はデジタルに
>>続きを読む

コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

昔はこういう静かな映画が苦手だったのだが、今ではすっかり好物だから不思議である。

何かわかりやすいドラマがあるわけではなく、淡々と時間と感情の移ろいが描かれる。その中で彼女が得たものは何だったのか。
>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

怒涛の締切ラッシュで映画館から随分足が遠のいていたのだが、少し余裕が出てきたので、同僚にずっとおすすめされていた本作を鑑賞。もう素晴らしいの一言。

人から勧められた作品は往々にして期待値を上回らず、
>>続きを読む

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

これ、ワンテンポ遅い彼の視点から見たら『2秒先の彼女』なのでは?という野暮な感想を思いついてしまったが、それはいったん置いておいて、、

設定としては面白いと思いつつ、今ひとつというのが正直なところか
>>続きを読む

今はちょっと、ついてないだけ(2022年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

意図があってそうしているのかわからないが、構成や台詞、演出それぞれをもう少し整理できたのではないかと思ってしまった。そうすれば、何がどうつながっているのか考えることに気をとられず、純粋に作品を楽しむこ>>続きを読む

メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

BL漫画を題材にした、というより好きなものによってつながった人たち、何かを好きになり、共有することに境界などないということを描いた素晴らしい映画だったように思う。

自分自身、映画を作る仕事に就いてい
>>続きを読む

そばかす(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

2023年最初の映画。普段は公私ともに映画に入り浸っているから、年末年始ぐらい映画を観ずに過ごそうと決めていたのだが、今コンテストに向けて書いている脚本の題材が類似していたので、これは観ておかねばなら>>続きを読む

子猫をお願い(2001年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

知り合いに勧められてずっと観たかった本作。こうして観てみると、女性や若者の悩みって表面的には変わっているように見えても、根本はあまり変わっていないということが良く分かる。

それほどに若者としてこの世
>>続きを読む

妻として女として(1961年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

小気味良いカットワークに、軽快な台詞回し、カラー映画になって一層極まるライティングの効果。成瀬節満載の本作は、いつものしっとり&後味さらさらといった感覚だけでなく、成熟した感じも受けた。まあ要するに、>>続きを読む

バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

日本のミニシアターブームを牽引した本作。とんでもなく面白いと思える自分は、今やミニシアターでしかやっていないような渋い映画が大好きな生粋のシネフィルと化しているのかもしれない。映画を仕事にしてから、初>>続きを読む

ハリー・ポッター20周年記念:リターン・トゥ・ホグワーツ(2022年製作の映画)

-

このレビューはネタバレを含みます

Harry Potterは自分の青春そのものと言っても過言ではない。小学校6年生のときに初めてDVDで『賢者の石』を観て、実写映画にもこんなに面白い作品があるのかと驚いたことは鮮明に覚えている(それま>>続きを読む

国際市場で逢いましょう(2014年製作の映画)

4.9

このレビューはネタバレを含みます

どんな街にも、どんな家族にも、どんな人にも、それぞれの物語がある。そして、それを伝える力が映画にはある。そんなことを感じさせてくれる素晴らしい作品だった。

自分が舞台や映画の世界に飛び込んだのも、誰
>>続きを読む

二つの光(2017年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

短編映画の面白さがぎゅっと詰まった良作。「見える」という私にとって当たり前になってしまっている感覚。それを持たないゆえに得られるもの・失われるものをリアルに、一方で優しく描いている作品であるように感じ>>続きを読む

シスター 夏のわかれ道(2021年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

昨日観た『母性』の中で「女性には2種類いる。母と娘」という台詞があった。確かにあの映画を観ればそのような気もするが、現実はそんなに単純ではない。そんな現実の厳しさを本作から強く感じた。

本作を家父長
>>続きを読む

夜明けの詩(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

こういう作品、
とっても好きなのだが、
数日すると忘れてしまうのが悲しい。
そういう記憶の刹那性も含めて
好きなのかもしれない。

どこからが現実で
どこからが虚構なのか。
主人公の実生活と
主人公の
>>続きを読む

母性(2022年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

台詞や設定が記号的かつ抽象的。
それが湊かなえ的である気もするし、
そうでない気もする。

ただそれが本作では
ピントが合わない表現に
なってしまったのが残念。

典型的な羅生門アプローチだが、
もう
>>続きを読む

ザリガニの鳴くところ(2022年製作の映画)

4.8

このレビューはネタバレを含みます

原作と出会ったのがちょうど去年の今頃。こんなに面白く、表現豊かな文章を書ける人が今の時代にいるのかと感銘を受けたのは今も忘れることができない。自然学者の著者にしか書けないあの表現は決して真似できないと>>続きを読む

ある男(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

タイトルが出るまでの開始わずか30秒。この映画は面白いと直感した。原作、脚本、監督、キャスト。この作品を作り上げている方々の名前を見るだけでハズレのはずがないだろうと思っていたのだが、その期待を裏切ら>>続きを読む

ゆめのまにまに(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

大好きな場所の、大好きな人たちの物語。
ごく個人的な。

アムステルダム(2022年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

純粋な時代物として観れば面白くもないのだろうが、終盤の政治的主張が強すぎて少しきつかったのが正直なところ。3人の友情物語として描くにしてももう少しやりようがあったような気もする、、というより友情物語と>>続きを読む

奈落のマイホーム(2020年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

すごーく馬鹿ばかしくてこういう映画は大好きなのだけど、やっぱりあの場所に残った、残された人たちの気持ちを考えると笑い飛ばせない。こういう作風なんだから、フィクションに振り切って、全員助かるハッピーエン>>続きを読む

君だけが知らない(2021年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

このハラハラドキドキはいつまで続くのかと、最後まで手に汗握る展開でサスペンスとしてとても面白い仕上がりになっていた。

しかもそれだけでない物語の着地が素晴らしい。不覚にも最後の数シーンで泣いてしまっ
>>続きを読む

恋愛の抜けたロマンス(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

見てよかった。いい!

ツユクサ(2022年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

人は皆なんらかの悲しみを抱えて生きている。幸せに生きていくことはそんなに簡単なことではないけど、工夫ひとつでいくらでも幸せだと感じることができる。そんなことを思わせてくれる素敵な映画だった。

第一、
>>続きを読む

アンラッキー・セックス またはイカれたポルノ(2021年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

こういう問題って現実にありそうだし、どんな結末にもなり得るから、それが却って生々しかった。

そうは言いながら、用意されていた3つ目の結末は全くの予想外であったし、あれがジョークとして成立しているのか
>>続きを読む

FLEE フリー(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

新たなドキュメンタリー映画の境地を開拓した作品であるように思う。

この世の中にはドキュメンタリー映画として世の中に伝えるべき事実がたくさんあるにもかかわらず、制限があるために、映像として伝えられない
>>続きを読む

マイ・ブロークン・マリコ(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

原作を読んでいないので、純粋に映画としての感想にはなるが、個人的にこういう勢いがあって、余分な(ときには必要な)説明をごっそり削ぎ落とした映画は大好きである。扱っている題材からすると雰囲気が重たくなり>>続きを読む

今夜、世界からこの恋が消えても(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

食わず嫌いは本当にダメだと痛感した。鑑賞前はどうせ流行りのエモい系映画とたかを括っていたのが、恥ずかしい。恋愛以上に、人間にとっての記憶について考えさせられる素敵な映画だった。

人間、往々にして忘れ
>>続きを読む

LOVE LIFE(2022年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

本作を観ると人間はどこまでも不完全なのだと感じる。誰もが社会に求められる理想像(例えば、母親はこうあるべきだのような、、)と現実の乖離に葛藤し、ときにそれを他人に強要してしまう。そもそも社会や他人が求>>続きを読む

スワンソング(2021年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

この生き様はカッコいい、カッコよすぎる。もちろん、自分らしく生きることは容易ではない。特にあの時代にゲイとして生きることがどれだけ肩身の狭いことだったのか、想像も及ばない。そもそも、自分らしさとは何な>>続きを読む

川っぺりムコリッタ(2021年製作の映画)

4.6

このレビューはネタバレを含みます

唯々、素晴らしい!

登場人物それぞれが、何かを抱えながら必死に生きていく。小さな幸せを噛み締めて、一歩ずつ、一歩ずつ、、辛いこともあるけれど、そんなことをも笑い飛ばしてしまえるような明るさが本作には
>>続きを読む

百花(2022年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

映画を比べるのは野暮だと感じながらも、同じ認知症を題材にしているということもあり、『ファーザー』が常に頭の中をよぎっていた。そのため、忘れる側と忘れられる側が辛い思いをする様子を描くにとどまらず、その>>続きを読む

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

夏が特別なのはいつの時代でも、どこの国でも変わらないのだろうか。どこか燻っている若者たちがひと夏の経験を経て、成長する。表面上は何も変わっていないのだが、彼ら自身の視点に立てば確かに人生が上向いている>>続きを読む