たるたるごさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

たるたるご

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苦い涙(2022年製作の映画)

5.0

この濃厚な室内劇にただただ魅入ってしまった。
身を焦がす様な恋愛経験がないこともあり、主人公がたどる恋の行方を物語後半まで嘲笑っていたのですが....。
ラスト、主人公がみせた表情から見方が変わり、窮
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渇水(2023年製作の映画)

4.0

生きていくために必要不可欠でありながら、目の前にあるとその存在をつい軽んじてしまう。
それは決して水だけでなく...つい大丈夫と過信し、失いそうになるまで甘えてしまう。
そしてどこまでも救済を求めてい
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TAR/ター(2022年製作の映画)

5.0

凄い!久しぶりに強烈な1本を観た。
タイムラインで賛否と好き嫌いが分かれる作品の様だが、個人的には断然前者。
仕事で交響楽団のPRに携わったこともあり、舞台となった世界はより現実的に感じられ、TARが
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プチ・ニコラ パリがくれた幸せ(2022年製作の映画)

4.0

絵本の世界も決して無関心というわけではなかったのですが、本作を知るまでプチ・ニコラも原作者2人の存在も全く知らずにいました。
でもだからこそ、本作をとてもピュアに楽しめた様な気もします。
どのシーンを
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宇宙人のあいつ(2023年製作の映画)

4.0

映画館内の雰囲気が和んでいるのも肌身に感じ取れて、たまに体感したくなる程良いユルさ。間の取り方、世界観もたまりませんでした。
散りばめられたエピソードも伏線要素はあるものの全て大らか。
とにかく構えず
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雄獅少年/ライオン少年(2021年製作の映画)

5.0

オンライン試写に続いて映画館で再鑑賞。
獅子舞を舞う際の太鼓のビートや劇中、エンディング曲がよりお腹に染み渡り(歌詞も本当に素晴らしく)、劇中の少年たちだけでなく、まるで観ている私たちまで勇気づけてく
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⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)

5.0

マリヤム・トゥザニ 監督の前作「モロッコ、彼女たちの朝」とともに本作もとても美しく、記憶に残る作品でした。
カフタンだけでなく、モロッコの市街地が醸し出している異国の雰囲気がとても色鮮やかに思えました
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ブラフマーストラ(2022年製作の映画)

4.0

どうやら第三章からなる第一章ということで、この先の伏線もあってか、途中少し間延びした様に感じる時間もあり...でもきっと最終章まで劇場へ足を運んでいる様な気がする。
何だか懐かしい感じのするSFXもオ
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

4.0

前半の緩さ(ほのぼの)が後半の緊迫感に拍車をかけていて、面白かったです。
後半だけ見せられたら主人公に寄り添えなかったでしょうしね。
今回、本作を公開時には気にかけておらず、続編の増殖の予告編を観て、
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劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス PROVIDENCE(2023年製作の映画)

5.0

つい深夜のテレビを視聴した結果、やはり観に行っちゃいました。
常守監視官の決断にちょっと涙してしまいました(歳を重ねるとすぐ泣けてしまいます)。
今後の展開も楽しみです!

名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)(2023年製作の映画)

5.0

劇場版の名探偵コナンを初めて劇場で観た。
TVで劇場版の過去作はほぼ観ていたが、これまでわざわざと思って舐めていた。
今回は特にかもしれないが(サブマリンが登場するので)重低音が快く腹に響く。
物語も
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マッドゴッド(2021年製作の映画)

3.0

試写会に当選していたのに当日仕事の都合で見逃し、公開後も気になりながらもタイミングが合わなかった作品をようやく新文芸坐でご縁いただく。
イメージしていたより破綻してない⁈色んな作品のオマージュもあって
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若き仕立屋の恋 Long version(2004年製作の映画)

5.0

この切ない悲恋の結末がわかっていても、もっと2人を観続けていたかった。
そう結末を知っているからこそ、エンドロールに辿り着くまでの1シーン、1シーンがより美しく思えてしまう。
今夜はもはや王家衛監督
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アルマゲドン・タイム ある日々の肖像(2022年製作の映画)

3.0

親の心子知らずをまさに地で行く展開。
ジェームズ・グレイ監督自らの幼少期を描いた自伝的作品という事前情報のインプットが無ければ、主人公の少年にかなりイラついたかも...。
ただラストシーン、幼い彼が選
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ノベンバー(2017年製作の映画)

4.0

これは予想もしなかった世界観でした。
冒頭のシーンで持っていかれ、モノクロ、かつ繊細で美しい映像のおかげもあって、最後までこの独特な世界を飽きることも嫌うこともなく、魅せ続けてもらいました。
前情報を
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WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

4.0

2年前に「ケリー・ライカートの映画たち 漂流のアメリカ」の特集上映を鑑賞していたのも本作が気になっていた理由のひとつ。
インディペンデント映画だからこそ、1970年のアメリカを肌に感じ、新文芸坐 の大
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セッソ・マット(1973年製作の映画)

4.0

先週観た黄金の7人 も、とても面白かったのですが、本作も劇場内で何度も笑いが起こり...まさに1960-70年代の映画全盛期のイタリア映画、侮れません!
それにしてもエロ・ラブコメ系の作品って、時代の
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女性上位時代(1968年製作の映画)

4.0

昨年特集上映された中で観に行けず、最も残念だったのが「SPAAK! SPAAK! SPAAK! カトリーヌ・スパーク レトロスペクティブ」。
そのリベンジに(と言っても1本だけですが) 、新文芸坐 の
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

4.0

アダマン号に集う人たちはここに来るまでにきっと苦難を乗り越え、ようやく辿り着いた場所なんだろうなぁと。
だからなのか登場する全ての人の表情が時折不安をちらつかせることはあっても自分の人生をいかに過ごす
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聖闘士星矢 The Beginning(2023年製作の映画)

3.0

新田真剣佑の星矢役、思っていた以上に似合っていた。
タイトルに「The Beginning」を冠している通りヒットすれば、ここから長い旅路も期待できそう。
オヤジ世代としては、星矢以上にいぶし銀の活躍
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続・黄金の七人/レインボー作戦(1966年製作の映画)

4.0

黄金の7人シリーズを2作連続でスクリーンで鑑賞。
こちらもまるでアニメのルパンを実写で観ているような面白さ。
古さや多少のチープさを感じることもあってもそれを含めて味があって小気味良い。
4部作あると
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黄金の七人(1965年製作の映画)

4.0

自分の生まれ年にイタリアで製作された作品。
ヒロインが峰不二子のモデルになった話だけは、前情報で知っていたのですが...本作そのものが「ルパン三世」に多大なる影響を与えていたのですね。
今更ながらです
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不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

4.0

学園ものに脱北者⁈...どんなストーリー展開になるのか全く予想もつかなかったのですが、観終えてみると良質な作品に出会えて、とても幸せな気分です。
数学とクラシック音楽って、やっぱり相性がいいんですかね
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銀河鉄道999(1979年製作の映画)

5.0

こんなカタチで本作を鑑賞するのは本当に寂しい。
考えてみれば、これまでに直接お会いしてサインをいただけた漫画家は松本零士先生、ただ1人。
「TETSURO」という名を持って、子供の頃は本作のせいでよく
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セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

4.0

小技の効いた演出というか、冒頭からクスッとさせてもらい、よく知らぬモンゴルに対し、一気に親近感が...。
あとは監督の狙い通り⁈ 色んなシーンでほっこりもしながら、主人公の成長譚を暖かく見守る親戚の叔
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BLUE GIANT(2023年製作の映画)

5.0

普段、映画を推してくることのない実弟から強く推薦を受け、原作の内容も知らずに鑑賞。
もう終盤にはいい感じで泣いている...あらためて音楽っていいなぁ、がむしゃらに頑張るって素晴らしいなぁと。
とても良
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幻滅(2021年製作の映画)

5.0

物語が進むにつれて、主人公にどんどん魅入られていく、破滅への階段を駆け上がっているというのに...。
で、ふと気づいた。この状況って、十数年前に自分も似たような境遇だったのではないかと。
有頂天から足
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ELECTRIC DRAGON 80000V(2000年製作の映画)

5.0

本作は今年3月に 渋谷ユーロスペースさんで鑑賞したばかり!前回の鑑賞が初見でしたが、もう一度本作をスクリーンで観てみたいが、今回のオールナイト参加を決断した理由でした。
劇画をそのまま映像にした様な展
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Single8(2023年製作の映画)

5.0

自分たちの学生時代(40年前)のことを思い出して、ここまでニヤニヤしながら映画を観たのは、きっと本作が初めてかも。
あの頃の思いや同じように使った技法や機材が...もう盛り沢山で10代の頃の気持ちに完
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デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム(2022年製作の映画)

5.0

戦メリで久しぶりにデヴィッド・ボウイを観て、喜んでいたところで本作。最初は鑑賞するかどうか悩んでいたのですが、劇場で何度も予告編を観るうちに...。
結論、無茶苦茶良かったです。単なる伝記物ではなく、
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パリタクシー(2022年製作の映画)

5.0

シンプルなストーリー故にダイレクトに心に染みて、最後は泣かされました。
一期一会の大切さをあらためて感じるとともに、出会いのタイミングが若い時だけが素晴らしいのではなく、円熟期だから得られるものもある
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ある男(2022年製作の映画)

5.0

ようやく初見。そして日本アカデミー賞の各賞受賞納得の、劇場で鑑賞できて本当に良かったと思える作品でした。
主演、助演も含め、登場する役者さん達が本当に素晴らしかった。
個人的には息子役の彼にも賞をあげ
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

5.0

あらためて公開前のポスターの「孤高」「信頼」「継承」が脳裏に浮かぶ。
昭和の時代に表現しきれなかった特撮の演出を沢山観せてもらった。逆に昭和の時代に散々見てきた血しぶきに意外に抵抗を覚える。
あとは監
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パンズ・ラビリンス(2006年製作の映画)

4.0

初見と思っていたら、ちゃんと過去に観てました。
こんなインパクトにあるビジュアルなのに冒頭レジスタンスの姉と医者が登場するシーンを観るまで記憶からスッポリと抜け落ちていました。
そんないい加減な鑑賞し
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コンペティション(2021年製作の映画)

4.0

シニカルな笑いで館内が包まれ、この雰囲気はここ最近では稀有な体験でした。
もちろんネガティブではなく、このどうしようもない状況を笑い飛ばし、この場を他の観客と共有できていることに喜びを感じ、超楽しめま
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ザ・ホエール(2022年製作の映画)

5.0

主人公の行く末はフライヤーを見てわかっていたのに...それでもラストは大粒の涙を流してしまった。
主人公が過去に選択した生き方がこんなにも周囲を苦しめ、それを彼自身が1番理解して自らを戒めていて、劇中
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