たかさんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

ミナリ(2020年製作の映画)

3.0

アカデミー賞最有力!の触れ込みで鑑賞。確かにオスカーに無難なストーリーですが、決め手に乏しく物足りなさを感じます。ただ家族やアイデンティティを描いており、何を優先するか等、自分と重ね合わせて観られる要>>続きを読む

地球で最も安全な場所を探して(2013年製作の映画)

3.0

核のゴミ最終処分場の選定ドキュメンタリーです。不完全な人間が決めた安全基準なんて意味があるのだろうか?危険度は変わらないのに、戦略とマーケティングで問題の本質から意識をそらさせる考えが、破滅の序章です

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

5.0

全理解は難しいものの大満足です。ほわほわする前半、謎が解明されていく後半、意外だけど私好みのラスト、やっとエヴァを閉じれました。私は一少年の思春期の心の動きを、エヴァ作品と言う形で描いていた気がします

あのこは貴族(2021年製作の映画)

5.0

人生で大切な事を静かに考えさせられました。生まれた星でどう生きるか?を、女性達と一人の男性を通して見事に表現されています。貧富の差とは別の軸にある「今日何があったかを話せる人がいるかいないか?」幸せの>>続きを読む

羊飼いと風船(2019年製作の映画)

3.0

チベットの素朴な生活に同居する複雑な事情、笑顔が殆どなく問題ばかりに焦点を当てて生きているかのようです。その問題も劇中で何も解決しません。四苦八苦の人生、だから徳を積み悟りを目指す、そんな仏教のエッセ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

5.0

優しいタッチと詩的な表現、大きな事件が起きないのに、物語と二人に惹き込まれ、いつの間にか応援していました。ラストのカフェの情景、観終えた後の止めどない余韻、ふとタイトルの意味を考えた時、新しい心境を得>>続きを読む

映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

3.0

正当な理由があって作ったえんとつ町なのに、この結末では元に戻るだけでは?などの矛盾や、メッセージの説教臭さは否めません。ただ住民が、違和感を持ちながらも同調圧力に屈している様子に、今のコロナ禍を見まし>>続きを読む

AWAKE(2019年製作の映画)

4.0

プロ棋士になれた者となれなかった者が、再び電王戦で対局する巡り合わせが好きです。一度目標を失いつつも、常に全集中できる英一は尊敬に値します。AIが人間と同等の能力だった時代に繰り広げられたドラマ、もう>>続きを読む

越年 Lovers(2019年製作の映画)

3.0

主演の峯田和伸さん、橋本マナミさん舞台挨拶付き上映を鑑賞。これは観る側の境遇や心持ちで見え方が全く変わるタイプの「スローライフムービー」だと思います。本作は3本立てで、さっぱりしている台湾編が一番楽し>>続きを読む

天外者(2020年製作の映画)

4.0

名の知れた幕末の志士の陰で活躍した薩摩の五代友厚、今の私の歳で亡くなっているだけに、つい器を比較しちゃいます。儲けられない者は商人じゃない!ある意味GoToで守られる今は恵まれています。目的を持って生>>続きを読む

プラスチックの海/プラスチック・オーシャン(2016年製作の映画)

5.0

衝撃的な映像が続きます。手に血の付かない殺人は、殺している実感が得られず繰り返すのと似ています。人間は生態系を壊す唯一の存在、つまり劣っています。同時に知的生命体なので、原状回復や好適進化ができると信>>続きを読む

THE CROSSING ~香港と大陸をまたぐ少女~(2018年製作の映画)

4.0

一国二制度で越境通学する女子高生、得てして密輸の運び屋にはひょんな事から足を踏み入れる気がします。スマホ数台の密輸に危険を冒す、彼女の心でも葛藤と言うクロッシングが起きています

朝が来る(2020年製作の映画)

4.0

育ての親に、産みの親が子供を返せと迫る単純な話ではなく、それぞれの葛藤を絶妙に描いた良作です。人を信じるか否かのレベルを超えた寛容性に涙、そして人生は想定外のるつぼと落とし込めた人から、動じない術を身>>続きを読む

天空からの招待状(2013年製作の映画)

5.0

台湾の空撮が素晴らしいです。同時に自然破壊が止まない母国に対する憂いが伝わってきます。経済優先で、誰も正面から環境問題に向き合いません。全て失ってから気づくのが人間ですが、その代償は予測を遥かに越える>>続きを読む

劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

5.0

社会現象を体感するために鑑賞、その理由がわかりました。自分の無意識領域にはどんな風景が広がっているのか?使命は?彼らの立ち振る舞いに触れ、自問が止まりません。心が浄化され、涙なしには観られない作品です

私たちの青春、台湾(2017年製作の映画)

4.0

ひまわり学生運動から6年、当時の様子が垣間見られて興味津々でした。この前収監された香港のアグネスたち民主活動家と交流していた事も新鮮でした。何より大きなものに立ち向かうと言うこと、考えさせられるオスス>>続きを読む

Mount Zao(蔵王山)(1935年製作の映画)

4.0

85年前の山形蔵王、快晴に映える樹氷、白黒無声な故に余計にイマジネーションが働きます。山頂からは滑るスキーの風切る速さ、かなりハイレベルの滑りをみせて貰いました。もうすぐ訪れる白冬の蔵王が楽しみです。

山の医療団(2019年製作の映画)

3.0

尋常じゃない日常だからか、違和感と拒否感が先立ちました。医療を学ぶ子供達、一方的なワンマン先生、一見うまく廻っているようで、裏で人間関係に悩む姿も想像できます。一方で、極限で生きる姿を目の当たりにでき>>続きを読む

アイヌモシリ(2020年製作の映画)

4.0

民族や伝統なんて、ご都合主義で歪められるもの、ニセ認定アイヌがいたりと曖昧なものです。そんな中、純粋な少年の葛藤はダイレクトに伝わって来ました。子供の頃から知っていたイオマンテという言葉、今初めて詳し>>続きを読む

相撲道~サムライを継ぐ者たち~(2020年製作の映画)

4.0

長生きを考えると門を叩きたくありませんが、短い命でも勝負したい、立身出世を果たしたい人には、希少な世界です。そして外から観る分には、魅力あるワンダーランド、もっと相撲ファンが増えないのが不思議です。

罪の声(2020年製作の映画)

5.0

グリコ・森永事件、私の中学の先生がキツネ目で、警察が事情聴取に来たと噂になったほどの社会現象でした。もうどうでも良いと思ってましたが、作中の「勝手な理屈で被害を受けるのは弱者」や三人の子供達の行く末が>>続きを読む

望み(2020年製作の映画)

5.0

想定内のストーリーだなと達観していたのですが、息子の部屋からあれが見つかってから、一気に視点が切替わり、感情移入して他人事じゃなくなりました。マスコミの横暴、母親の溺愛、疑いや思い込み、いつの時代も変>>続きを読む

クライマーズ(2019年製作の映画)

2.0

リアリティがあるのか?ないのか?特に登攀シーンは違和感と同居です。明らかに国策映画、そしてまるで戦争映画、チベット同化政策の意図も含まれてます。トンデモ映画ですが、人はいつかは死ぬのだから、こういう生>>続きを読む

82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

4.0

観衆の9割が女性でした。多様性が叫ばれても、型にはめたがる人間社会において、男尊女卑の文化は根強くえげつないです。誰かのこうあらねばならぬと言う考えが、どれだけ周囲の人を苦しめているかをしみじみ感じま>>続きを読む

喜劇 愛妻物語(2020年製作の映画)

2.0

久々に出会った駄作、暴言やマイナス言葉を浴びせ合う夫婦喧嘩で終始します。いくら愛情の裏返しと言われても、言霊は生きています。観ていて辛くなるばかりです。喜劇と捉える人より、反面教師と捉える人が多い事を>>続きを読む

グリーン・ライ 〜エコの嘘〜(2018年製作の映画)

4.0

エコを謳う企業や政府は沢山存在します。でも素人である市民が、それを検証するのは不可能です。しかも嘘が含まれていたら尚更です。時々革命は起きますが、人間は不完全、また別の所で歪みが生じる、その繰り返しか>>続きを読む

僕は猟師になった(2020年製作の映画)

4.0

彼の半生とブレない考え方、良い友達になれそう!でも私は猪にとどめを刺せそうもない。動物を解体した肉片は、人間のそれと変わらない。結局こうなるのに人間はなぜ生きる?猟師はそれを考える機会に恵まれた仕事か>>続きを読む

ミッドウェイ(2019年製作の映画)

4.0

自分の戦争観は今まで沢山書きましたが、やはり戦争は繰り返されるものに尽きます。本作の核は壮大な戦闘シーンと米兵の英雄ストーリーかな?美しいミッドウェー海域の大きく些細な出来事、海は全てを覚えている、た>>続きを読む

もったいないキッチン(2020年製作の映画)

5.0

皆に観て貰いたい!食品ロスを生み出すのは、極端なグルメや安全基準、そしてそれが独り歩きしてできたシステムです。便利さの裏で歪みが生じ、多くのものを失ってます。そんな現状を前向きに明るくレポートしている>>続きを読む

いただきます ここは、発酵の楽園(2019年製作の映画)

4.0

菌や発酵、自然循環システムの完璧さ!自然界に元々備わっているのに、我々は技術革新に惑わされ、知らずにその活動を鈍らせています。そして突き詰めれば、これは我や命に執着し過ぎない自然な生き方に通じます

マルモイ ことばあつめ(2018年製作の映画)

4.0

言語統制で母国語が禁止された日本統治下の朝鮮、保身の理由がなければ、みんな異議を唱えるでしょう。祖国とは国語と言われる所以です。そしてやっぱり知識は必要、少なくとも怠惰で知識獲得を避けるのは勿体ない事>>続きを読む

(2020年製作の映画)

4.0

大らかな気持ちで物語の神髄を意識して観れたので、泣いたり考えたりできました。ただ、糸がねじれたり切れたりするものならば、今近くにいる人は違う糸の住人かもしれません。それは主人公2人も例外ではなく、数年>>続きを読む

イップ・マン 完結(2019年製作の映画)

5.0

涙の完結、4部作を通して彼の人生から学んだものは多々あります。詠春拳の達人としてだけでなく、時代に翻弄される等身大の人間としての生き方、迷い惑いながらも深い所で芯のある人柄、あのような風格を身につけた>>続きを読む

ステップ(2020年製作の映画)

4.0

シングルファーザーの覚悟や共育の過程に涙です。家庭は笑顔を絶やさないために変化し続ける場所、そして時には家族のリフォームも!?ただ古い価値観も漂います。そして育児そのものを楽しめなかったのが、ちょっと>>続きを読む

のぼる小寺さん(2020年製作の映画)

4.0

部活でクライミングができるなんて理想すぎる高校生活!ストイックに登る姿は美しい、そしてその熱が伝染しちゃう相手とは、お互いにかけがえのない間柄になれる気がします。好きな事を持ち、今それに没頭して生きる>>続きを読む

あなた、その川を渡らないで(2014年製作の映画)

2.0

老夫婦の日常、病、死、悲しみが表現されています。死生観を考える一例になりましたが、極端な愛は渇愛であり、加えて過去を引きずり過ぎると悲しみも大きい、まさに仏教でいう執着と生老病死の四苦を表した作品でし>>続きを読む