たかさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ほかげ(2023年製作の映画)

5.0

 翌日に塚本監督挨拶付き上映があるのですが、一刻も早く観たくて封切り日の朝一に鑑賞しました。孤児、未亡人、復員兵それぞれがどんな体験をしてきて、どんな事を考えていて、そこからどんな行動を起こすのか?戦>>続きを読む

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)

2.5

 東野圭吾原作と雪の山荘に惹かれて観に行ったのですが、雪は降らないし、あまりストーリーに入り込めませんでした。後半にあるあのエピソードまで行きつかないと、犯人なんて見当もつかないし、それでもわかるもの>>続きを読む

コンクリート・ユートピア(2021年製作の映画)

4.5

 衝撃作!日本人にはない発想と描写です。皆が等しく貧しくなるならまだしも、一部が既得権益を持っていると、人間は更にダークサイドに落ちやすくなりますね。人間は環境によって天使にも悪魔にもなるんです。秩序>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

 かつてのスローライフムービーを彷彿させます。セリフが皆無で空気で感じる情緒、何より役所広司だから成り立つ作品です。同じような毎日、変化のない毎日を望みながらも、小さなエピソードが彼の人間性を見せてく>>続きを読む

ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.5

 星に願いを!スター達と王様の“願い”争奪戦!本家本元のスターが見かねて空から舞い降りてきたんですね。やや対象年齢が低い内容ではありますが、ディズニーらしい、100周年のお祭りとしてはシンプルでわかり>>続きを読む

ワンス・アポン・ア・スタジオ 100年の思い出(2023年製作の映画)

3.5

 ウィッシュの同時上映で鑑賞。ディズニーキャラクター全員集合で微笑ましかったです。

あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。(2023年製作の映画)

4.0

 冒頭の現代のストーリーがかなり強引、どこかライトな福原遥、何となくベタな内容、これは評判通り大したことないなと観始めました。ところが、どんどん引き込まれ、いつの間にか感情移入して涙している自分がいま>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 杉咲花のオーラと重みが凄い。ストーリーは映画「ある男」とダブります。とても過酷な境遇に耐えて、壊れて、そしてやり直そうとする市子に感情移入です。過去の過ちは何とか背負えても、戸籍という紙切れ一枚がい>>続きを読む

(2023年製作の映画)

3.5

 終始暗い雰囲気でストーリーは進みます。前半は取り留めのない暗さ、後半は緊張感のある暗さ、でも人が触れないように生きている領域に踏み込んでいます。誰でも本音と建前を使い分けてますが、その最たるものかも>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

4.0

 私もかなりのマイノリティなので共感できる部分が多かったです。この作品を観ることは、自分のダイバーシティ度を測ることにも繋がると思います。ついつい世の中の常識や思い込みをベースに登場人物を批評しがちで>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

 泣きました。これはゴジラを使い、戦時下から戦後の戦争後遺症を描いた映画です。自分の戦争は終わってないと言うベタな設定が、後ろめたさや劣等感、何かから逃げている、逃げた経験のある人は凄く共感すると思い>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

4.0

 AIと戦争になる作品は数多くありますが、この作品には「AIと人間は同じ」と言うコンセプトがあると思います。そもそもロボット三原則にはロボットを奴隷として扱う前提がありますが、ニューアジアのAIは人間>>続きを読む

沈黙の艦隊(2023年製作の映画)

4.0

 原作の雰囲気がよく表現されていました。大沢たかおの海江田も適任です。本作は世界平和を強く望まれて生まれたと思っています。見所は、考えもつかない戦い方と飛び抜けた政治思想ですね。2時間に全ては詰め込め>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

 予備知識ゼロで鑑賞しました。知らない言語を無理くり聴かされているような置いてけぼり感いっぱいでした。一つ一つにはジブリ過去作を彷彿するシーンがあるのですが、それがストーリーに繋がりません。途中から作>>続きを読む

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

3.5

 五年前にM:Iを卒業したつもりでしたが、また観に行ってしまいました。世間の過大評価を感じるものの、エンターテイメントやアクション映画としての資質はまだ十分にあります。ただこのジャンルに長くいると、騙>>続きを読む

ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.0

 もっと閉鎖された村社会の様子をイメージしていたのですが、要は人間の欲とその犠牲の話だと思います。そしてどんな事が起ころうと、それはいわば夢みたいなもの、だから耐え忍んだり大胆な行動ができたりするのか>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

3.5

 監督が折れたら作品が中途半端なものになってしまいます。素人の立場からも、監督の拘りが具現化された作品を評価したい所です。でも本作を観ていて、スタッフが平気で監督に妥協を求めているのには違和感を感じま>>続きを読む

いぬやしき(2018年製作の映画)

4.0

 どうしてあれだけ家族に虐げられなくちゃ行けないんですかね。最大の敵は獅子神ではなく、そんな家族に潜んでいるダークな価値観だと思います。そしてネトウヨなど、主に匿名で誹謗中傷を繰り返す人達もそうですね>>続きを読む

ライフ(2017年製作の映画)

2.5

 エイリアンの二番煎じです。ストーリー的にもベタで、迫力や情景を楽しめる人でなければ、何度も観るジャンルじゃありません。変にトラウマだけが残ってしまいます。ラストの展開は目新しかったのですが、続編が作>>続きを読む

ディープ・インパクト(1998年製作の映画)

4.5

 NETFLIXで鑑賞。映画「アルマゲドン」と混同してしまうので、過去に観たかどうかは不明です。死を前にした人間模様、群衆や社会の動きが見事に描かれており、世紀末感を否応なく感じることができました。や>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.5

 衝撃です。とても考えさせられる作品でした。我が子を思う親、真摯に生徒に向き合う先生、子供同士の友情や愛情、そして根も葉もない噂、イジメ、心を病んでいる先生。どこにでもいる人達、どこにでもある状況です>>続きを読む

ぼくたちの哲学教室(2021年製作の映画)

3.0

 ドキュメンタリーとしては凡作ですが、ケヴィン校長の考えや試み、金言は素晴らしいです。アプローチにコーチングを用いて、子供達に考えさせて気づかせる。きっと誰もが潜在的に持っている答えこそ、哲学が言わん>>続きを読む

クラウド アトラス(2012年製作の映画)

5.0

 壮大なストーリーです。様々な時代で6つの人生が躍動している上に、それら全ては同じ魂が営んでいる訳です。その時の立場は異なっても、主義主張や行動パターン、そして記憶は個のものなので、当然引き継がれます>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

4.0

 ジャンル的に喜劇でしょうけど、かなり緊迫感を感じました。実際、建前で塗りたくられている冠婚葬祭の裏側には、似たような状況があるのかもしれません。そして戦いを好む人種は必ずいます。だから酷い目にあって>>続きを読む

ライフ・イズ・クライミング!(2023年製作の映画)

4.0

 全盲クライマーのコバさん、彼はクライミングに救われたのかもしれません。心から夢中になれるものを生活の中に持っておくべきですね。全盲の大変さや辛さもあるだろうけど、クライマーはより難易度の高い壁を求め>>続きを読む

波紋(2023年製作の映画)

4.0

予告編を観る限り、身勝手に疾走したワガママ夫ですが、開けてみると主役はカマキリ妻でした。自ら脱皮を防ごうと、本能的に精神世界を覗いたりしますが、自然の摂理には逆らえません。また「こうあらねばならぬ!」>>続きを読む

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

5.0

涙腺崩壊。円周率の楽譜が奏でるピアノ、数学の美しさ、韓国で警備員をしている脱北数学者と訳あり高校生のやり取り、過剰な競争社会への警笛、粋な立ち振舞いのラスト、本作はもっと陽を当てるべき傑作です。オスス>>続きを読む

帰れない山(2022年製作の映画)

4.0

人生の浮き沈みを描いています。須弥山しか知らずにいると、自分の中に限界の壁を作りがちです。行き詰った主人公は周囲の8つの山に自分探しの旅へ出掛け、活路を見出しました。ただ誰もが器用ではないので、切ない>>続きを読む

高速道路家族(2022年製作の映画)

4.0

邦画「サバイバルファミリー」と似て非なるダークな作品です。自分がどんな境遇に陥っても誠実さは失いたくないもの、でもそれはきれい事?頭の中で性善説と性悪説がせめぎ合いました。チベット人が登場する意味も深>>続きを読む

ロストケア(2023年製作の映画)

5.0

夫婦で鑑賞。重いテーマをキャストと演出で最高レベルの作品に仕上げています。老後や介護の勝ち組と負け組、安全地帯、絆という名の呪縛、まさに仏教の四苦・生老病死です。一方で人生のラストに過剰反応せず、今を>>続きを読む

いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

4.0

夫婦で鑑賞。息子が不憫との想いから始まるが、自身の死への落とし所を探す道程でもあると感じました。そして死が消滅ではなく変化だと気づき、死後も息子を見守れる安堵感を得たのではないでしょうか?隣の妻は啜り>>続きを読む

シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

5.0

このレビューはネタバレを含みます

 賛否両論真っ二つですが、私は「賛」です。こういうリアリティのある仮面ライダーが観たかった!オマージュを楽しむウエイトが高いので、柔軟な仮面ライダーファンが一番ハマるかも?
 緑川ルリ子(浜辺美波)の
>>続きを読む

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.0

スピルバーグの自伝的作品ですが、それよりカメラは真実を捉えるもの、そして差別やイジメが印象的でした。決して理想的とは言えない家庭環境や学園生活ですが、裏のない人間味にどこか清々しささえ感じます。味のあ>>続きを読む

BLUE GIANT(2023年製作の映画)

5.0

ATMOSで鑑賞。仙台から大志を抱いて上京した青年、驚くべきストーリーではないものの、熱さと前向きさが心地よくどんどん引き込まれます。そして圧巻は演出とジャズ演奏に尽きます。ラストにかけて涙腺が緩む作>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.0

骨組みは良いが、ぶっ飛び過ぎ!ただマルチバースの壮大さを感じ、自分の中で更に膨張できました。神仏や力を得た者と俗人の求めるものは異なります。違う世界で生きる自分を感じてみたいな!

湯道(2023年製作の映画)

4.0

夫婦で鑑賞。笑えない喜劇だったらと心配でしたが、良質の人情ドラマでした。ギリシャへタイプスリップしなくても、人生は波乱に満ちてます。そんな様々な境遇の人達が銭湯に集い、入浴後は穏やかな心になる。湯道そ>>続きを読む