最初は、なんて暗いストーリーなんだ！と見るのが辛かった。賄賂、盗聴、格差社会、不倫、借金の取り立て、暴力…。特に、会社での派閥争いは、嫌気がさした。
不幸な環境に育ったイ・ジアンと、仕事・夫婦・兄弟全てうまくいかないパク・ドンフンは、お互いが出す不幸のオーラで、魂が共鳴する。最初は、ドンフンを蔑めるために盗聴していたジアンだが、いつしかドンフンの純粋な優しさに惹かれていく。
ジアンが、ドンフンのケータイを盗聴して、イヤホンで聴く。辛い毎日の中でもそれを聞いている時は、心が穏やかになっていたに違いない。
一方で、兄弟愛や友人愛も素晴らしい！確かに、妻の身からすると、居場所がなく辛かったのかもしれない。しかし、まるで自分のことのように、他人を思いやれる関係性は、とても羨ましく思える。
「おじさんに幸せになって欲しい」「一緒に幸せになろう」と語り合い、そして最後には笑顔の再会。暗い不幸の顔から、付き物が落ちて解放された顔、そして、幸せいっぱいの顔…この心の変化を如実に表現した二人の演技がとても素晴らしかった！
