DER FALL
フルトヴェングラー事件。
クラシックコンサートのステージ。建物にくっついたナチの石碑が破壊され、アメリカ国旗が掲げられる。
ロッテルダム、ブリュッセル、ベオグラードの爆撃の映像、ベルゲンベルゼン収容所の映像。
反ナチで家族皆逮捕され生き残った女性が秘書として働く。
ベルリンフィル団員リスト。繰り広げられる調査はWho joined the Party?だ。
フルトヴェングラーが裁かれるに値するか否か。ゲーリングとゲッベルスの指示に従わざるを得なかった、が最初の本人の主張。長い会話劇を抜粋はできない。ちょいちょい、フルトヴェングラーの顔を見たいけどってシーンに映り続ける少佐でした。
尋問に当たるとしても、敬意ゼロの扱いは疑問。米国人がその立場だったらどうしたんだ、というツッコミなしには見られない。アメリカのスウィングした音楽を知ってるか、クラシックの正確性に魅力を感じないという皮肉かっこ?を挟むのもムカつく。
尋問は苦しいし見ていてストレスフルで決して好きにはなれないが、ハーヴェイ・カイテルの演技、台詞の応酬はすごい。
人道的とは思えないが、ここまでさせたモチベーションがまず疑問。
映画の趣旨が掴みきれなくて先に調べちゃったよ。作品中、彼には沢山の人から支持されていた事実がある。彼は無罪になった。ラストの実際の映像にうつされた、握手した手をハンカチで拭く姿。それをどうとるのか。
史実として裁判の結果も、彼の略歴的な生涯も明らかにはなっていて、参照元として正しくないのは承知でもWikipediaもその調子。でもU-NEXTの説明いはく「ナチスに加担したと思われる人間を糾弾した実話をもとにしたシリアスなドラマ」。
「本当のことはわからない」のだろうか。
カラヤンがナチ党だったのは明白な中、ここでモヤったら、専門家の解説つけてほしくなる。笑
大どんでん返しが待ってるわけでもなくそのまま終わる。
尋問者、糾弾される人、結局、図式が一緒というところか。脇役の2人が明らかな不快感を示すことができたこと、反抗したこと、フルトヴェングラーがその場で殺されたりしないこと、それだけがナチス政権下の状況とは違ったと言えるか。