このレビューはネタバレを含みます
アメリカ軍によって製作されたプロパガンダ作品のひとつ。
日本の歴史や風習がよく調べられておりそれでいて筋が通ってよくできたプロパガンダ映像だと感じた。
しかしやはりプロパガンダ映像である。アメリカは自由を掲げる正義、日本は自由を侵略する悪と印象つけるような内容である。
これは、作品の目的を果たしているということだが、この差別的な思想こそ日本との戦争を招いた原因、そして非人道兵器を使用するに至った原因の一つなのではと感じた。
欧米はアジア、日本に何をしてきたのだろうか。
日本は第一次世界対戦でドイツの撃退に貢献、パリ講和会議に招かれた5ヵ国のうちの一国。しかし人種差別撤廃の提案は受け入れられず、アメリカの移民法は日本も排斥対象となり、もともと感じていたアジア、日本への差別をより一層感じたことで日本の不満は高まる。
加えて大恐慌の影響で落ち込む経済の中だったにも関わらず欧米からは拒絶。
国民の不満も高まり、結果的に東條英機らが欧米への強硬路線へ。
欧米はアジアを支配してきた。
にも関わらず、日本が満洲を侵略するとそれを非難。日本が欧米と同じことをするのは許さなかった。欧米は日本を差別しており、自らの支配下である他のアジア諸国と同じく軽く扱っていた。日本はそれが許せなかった。
とはいえ、日本が被害者というシンプルな話でもないが。
擦り込まれた思想は、無意識のうちにその人の言動に影響する。
差別しても良いと擦り込まれれば、無意識のうちに差別してしまう。
プロパガンダの怖い部分を感じた。
