人が人を好きになるという、その現象。
それが、何がどうなっていれば、恋愛という名前がつけられて、どこがどうなっていれば〇〇愛という名前になって、どの条件が抜けていれば友情になって、その関係は更新されたり変わっていったりもして。
もっと純粋に誰かが好きだから、できるだけ一緒に居たいし、役に立ちたいという、その一見とても綺麗に見えるものを、とことんつきつめていったものを半ば狂乱的に描いた物語でした。
メインストーリーは女性の視点なのですが、男性視点での同じものも描かれているのが良かったです。
その二人のやりとりの中に、沢山良い議論が含まれているように思いました。
「愛がなんだ」という立場から言えば、年頃の男女による「普通の恋愛」とか「結婚」とか、後発的に人間が人間らしく生きていくために造られたシステムでしかなくて、くだらないものなのだろうなということを考えたりしました。
この映画でも、淋しさってのがキーワードでした。みんな淋しくて、それぞれ不器用に淋しさを埋めている。それが「普通」に近い人もいれば、「ふしぎちゃん」「ぶきみちゃん」な人もいるだけの話なのかもしれないとも思いました。
原作が角田光代さんなのだということを知ったので、読んでみようと思いました。