軽い気持ちで観たのに、とんでもない社会派映画を見せられて混乱している。
環境問題に始まった『シャークネード』のように、社会問題に切り込んだやかましいB級映画はごまんとあるが、今回はそれではない。
中国・インドを筆頭に生産される綿花。古くは(今も?)アメリカも主要な生産国の一つだが、それも結局は奴隷労働だった、というのが世界史的な知識。
だけども「われわれ」消費者としてはそんなことは知らない。サプライチェーンとかいう資本主義システムのなかで、またグローバリゼーションとかいう際限と節操のない地理的な広がりによって、最終的な小売業以外の生産者/メーカーに意識は向かない。
無論、フェアトレードなど知ったことかなど公然と口にする輩はなかなか見かけないけど、「知らない」というのは十二分に罪なことなのでは。どこの誰がどんな労働契約のもとで作ったかなど知らなくても、最終的な財とサービスが自分のもとにあれば良いという身勝手な大衆思考がジーンズに人を殺させる。
最大多数の最大幸福の、最大多数から漏れ出たごく少数に牙を剥かれた時、人はそれを避難できるだろうか?
という話です。これは。
ついこの間、スタバでコーヒーを飲みながらなんでこれ420円なんやろうって考えたことを思い出した。