nikoさんの映画レビュー・感想・評価

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花に嵐(2015年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

岩切一空によるPOVモキュメンタリー。モキュメンタリーから映画に切り替わる場面でハッとした。主人公の一人称視点から俯瞰した三人称視点に変わる事で夢なのか、現実なのか、それら含めてメタフィクションなのか>>続きを読む

黒い家(1999年製作の映画)

3.9

大竹しのぶの怪演は凄いを通り越して最後は笑えてくる。映画が持っている独特な空気感は90年代末のリアルさが際立っている感じがする。90年代の終末感、世の中がデジタル化に向かいつつもまだアナログな部分が残>>続きを読む

場所はいつも旅先だった(2021年製作の映画)

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サンフランシスコ、メルボルン、台北、台南、シギリア、マルセイユ6つの旅先にて、早朝と深夜に撮影された街並みや、街の人々との出会いが綴られた80分間のドキュメンタリー。たまにすれ違う人々や電車の車窓から>>続きを読む

ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ(2024年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

まひろが劇中で着てるTシャツがandymori、Fugazi、Bill Evansなの堪らない…♡
池松壮亮演じる冬村かえでは『バトル・ロワイアル』で安藤政信が演じた桐山和雄や『ディストラクション・ベ
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ファーストキス 1ST KISS(2025年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

バタフライ・エフェクトと重なる部分があって個人的に凄く嬉しかった
どんな関係性でもボタン一つの掛け違いですれ違いは起きる。でも駆がそうしたように今をやり直した世界線だと思えばもっと歩み寄れるかもしれな
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の2人が花畑を駆ける場面は是枝裕和監督『怪物』のラストシーンを想起させる力強さや美しさを感じた。本作と『怪物』はどこか対比的であり類似している部分もあるがこちらの方が説明的な要素は一切なく、日常描>>続きを読む

HOUSE ハウス(1977年製作の映画)

3.6

まず約50年前にこの映画作られた事実に驚嘆するし、50年前だからこそ作れた映画なのかなとも思ったりもする

フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

罵倒のバリエーションが多過ぎる
印象に残ったのはジョーカーが上官にピースサインと「BORN TO KiLL」の矛盾を問いただされ、「人間の二面性を表現しているんです」と答えたカット。芯を食った答えのよ
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アイコ十六歳(1983年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

HASAMI group「病気が治ったら」MVの引用から。市川潤の『BU・SU』と同様に青春の一瞬の煌めき、思春期の心のすれ違いや機微を富田靖子を中心に瑞々しく等身大に描いてた。水に反射する水面ような>>続きを読む

愛のむきだし(2008年製作の映画)

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10代の頃観ておくべきだな
満島ひかりがゆらゆら帝国の「美しい」にあわせて踊るだけのシーンは忘れないと思う

映画:フィッシュマンズ(2021年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

バンドという存在は生き物のように流動的であり歳月を重ねるごとに良くも悪くも変化し続けるものなのかもしれないと改めて感じた。『LONG SEASON』(1996)という35分間の奇跡のような音楽体験。初>>続きを読む

鉄コン筋クリート(2006年製作の映画)

4.1

オリエンタルかつ、昭和・平成の日本の街並みを織り交ぜた独特な風貌を持つ宝町を舞台に、二人で一心同体の兄弟が疾走する姿に圧倒された。二宮と蒼井優の配役はハマり役。煌びやかなサントラはUKテクノの重鎮ユニ>>続きを読む

メゾン・ド・ヒミコ(2005年製作の映画)

3.8

何か考えてそうで、何も考えてなさそうなオダギリジョーと眉間に皺寄せてる柴崎コウとの対比が良かった。ダンスシーンの2000年代前半邦画臭さも堪らない

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

4.1

ほぼ一泊二日の出来事で構成されていて、過去のフィードバック映像なしに家族の歴史や関係性を浮き彫りにしていたのが印象的。夏の終わりの帰省というどこの家族にも存在する行為から連なる風景は一服の清涼剤であり>>続きを読む

オアシス(2002年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

正直目を背けたくなる描写もあったが、愛はどんな境界線をも飛び超える力が有るのだと映画における演技を通じてこれでもかと突き付けられた気がする。視聴後この映画のタイトルでもある『オアシス』という単語の意味>>続きを読む

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.1

貴船という小さな箱庭の中での2分間のループを延々と繰り返す、それを長回しで表現しているのが何より素晴らしいと思った。たかが2分じゃ大したことは変わらないし、行動することも難しいだけど、各人の心の中には>>続きを読む

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

72分間ワンカットという究極の長回し。BGMは一切無く、人間ドラマも最小限に抑えまるで記録の動画をを見ているかのようなリアリティを映画という媒体を通して追体験出来た。この映画は2011年7月22日に起>>続きを読む

(ハル)(1996年製作の映画)

4.1

「はじめまして(^_^)」

1996年の公開当時、【Windows95】の登場で一般家庭にPCがどんどん入ってきたとはいうものの、ネット社会はまだまだ未成熟、このような表現はかなり実験的であったのだ
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

4.2

視聴後「人生とは何か?」という本質的な問いが頭の中を駆け巡った。死んでから死後の世界へと旅立つまでの1週間、死者達は「そこ」で一番大切な思い出を選ぶという奇妙ながら誰もが一度は想像するであろう死後の世>>続きを読む

HAPPYEND(2024年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

開始数分で¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uが登場して少し面食らってしまった。自分はテクノという音楽が好きだ。何故ならテクノを爆音で聴いている時自分と他者の境界が曖昧になりどんな境界線でも飛び越えられ>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.4

"多様性"って言葉は良くも悪くも便利に使われている

普段の生活の中で誰かの趣味嗜好を軽薄に嘲笑ってなどいないか、誰かを理解してあげようなどと傲慢に思っていないか、そして相手を思いやり理解したいと切実
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天気の子(2019年製作の映画)

3.7

4〜5年振りに視聴。以前観た時とでは東京周辺の景色にいつの間にか親近感を覚えていた事に気付いた。フィクションなのだから話の整合性よりも"オチ"に繋がるまでの壮大さにここまで吹っ切れるのも良いのかもしれ>>続きを読む

天然コケッコー(2007年製作の映画)

4.2

レイハラカミっぽい音が終始流れてるなって思って視聴後調べてたらレイハラカミがサントラを担当してて驚いた。瑞々しさ溢れる田舎の原風景とレイハラカミの静謐な音楽の相性は抜群。季節を重ねる事に縮まる二人の距>>続きを読む

ここは退屈迎えに来て(2018年製作の映画)

3.5

原作読破後に視聴。地方都市近郊の国道によく見られる、広い道路とその両側にチェーン店が並ぶ風景。地方で生活する多くの人々が日々目に見る光景はどこか懐かしかった。"東京"という箱庭に囚われ若さを消費する事>>続きを読む

彼女と彼女の猫 -Everything Flows-(2016年製作の映画)

3.4

生活を続けていく中での漠然とした寂しさ・微かな痛み・ささやかな温もりなど、言葉では伝えにくい感情を映像と音に託した作品だった

ヒミズ(2011年製作の映画)

4.0

ヒミズとは和名で“日見ず”と書き、“モグラ”の一種であり、小さくて目立たないので見つけようとしてもなかなか見つからないのが特徴となっている。ヒミズのように目立たなくとも普通に平凡に生きていきたいという>>続きを読む