緩やかに
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何となく避けしまっていた小津作品を初めて観た。普通の映画では省略される、おじぎや挨拶などの日本の儀礼的動作、何気ない会話が丁寧に描かれているのが特に印象的だった。無駄なものを極力省き、必要不可欠な情報>>続きを読む
物語に起伏は無く削ぎ落とされた台詞とモノクロ中心の静謐な街並みは詩的でありながら引き算の美学を感じる。人生に行き詰まった時立ち止まる事の大切さを問いながら優しさで心の迷いを包み込んでくれるようなそんな>>続きを読む
14歳はまだ子供でもあり大人になりつつもある不完全な時期であるし、自分を俯瞰で見る事が出来始めて自分の将来について考えたりその将来の夢について諦めをもったりもする。14歳の頃の自分は正直言って未来に対>>続きを読む
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アメリカ西部を舞台に兄弟、親子、夫婦の関係性におけるすれ違いが描かれていた。息子と車道を挟んで一緒に歩くシーンやトランシーバーでの会話から埋められそうで埋まらない距離感が画面越しからひしひしと伝わる。>>続きを読む
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終始曇天のように淡々と物語は進んでいく。祖母の死で始まり、前半夫の死で物語が動き、葬列で終わりを遂げる。喪で喪を挟む構造は同じく喪服で始まり喪服で終わる喪服映画こと「海街diary」と通じるものを感じ>>続きを読む
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松子の堕ちていく人生や陰鬱な内容をポップなミュージカル調で進行させるのはもはやダンサー・イン・ザ・ダーク。悲劇を悲劇のままで表すのではなくお花畑やキラキラとしたポップな世界を挟むことで、人生の落差を極>>続きを読む
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岩切一空によるPOVモキュメンタリー。モキュメンタリーから映画に切り替わる場面でハッとした。主人公の一人称視点から俯瞰した三人称視点に変わる事で夢なのか、現実なのか、それら含めてメタフィクションなのか>>続きを読む
大竹しのぶの怪演は凄いを通り越して最後は笑えてくる。映画が持っている独特な空気感は90年代末のリアルさが際立っている感じがする。90年代の終末感、世の中がデジタル化に向かいつつもまだアナログな部分が残>>続きを読む
サンフランシスコ、メルボルン、台北、台南、シギリア、マルセイユ6つの旅先にて、早朝と深夜に撮影された街並みや、街の人々との出会いが綴られた80分間のドキュメンタリー。たまにすれ違う人々や電車の車窓から>>続きを読む
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まひろが劇中で着てるTシャツがandymori、Fugazi、Bill Evansなの堪らない…♡
池松壮亮演じる冬村かえでは『バトル・ロワイアル』で安藤政信が演じた桐山和雄や『ディストラクション・ベ>>続きを読む
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バタフライ・エフェクトと重なる部分があって個人的に凄く嬉しかった
どんな関係性でもボタン一つの掛け違いですれ違いは起きる。でも駆がそうしたように今をやり直した世界線だと思えばもっと歩み寄れるかもしれな>>続きを読む
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冒頭の2人が花畑を駆ける場面は是枝裕和監督『怪物』のラストシーンを想起させる力強さや美しさを感じた。本作と『怪物』はどこか対比的であり類似している部分もあるがこちらの方が説明的な要素は一切なく、日常描>>続きを読む
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罵倒のバリエーションが多過ぎる
印象に残ったのはジョーカーが上官にピースサインと「BORN TO KiLL」の矛盾を問いただされ、「人間の二面性を表現しているんです」と答えたカット。芯を食った答えのよ>>続きを読む
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HASAMI group「病気が治ったら」MVの引用から。市川潤の『BU・SU』と同様に青春の一瞬の煌めき、思春期の心のすれ違いや機微を富田靖子を中心に瑞々しく等身大に描いてた。水に反射する水面ような>>続きを読む
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バンドという存在は生き物のように流動的であり歳月を重ねるごとに良くも悪くも変化し続けるものなのかもしれないと改めて感じた。『LONG SEASON』(1996)という35分間の奇跡のような音楽体験。初>>続きを読む
オリエンタルかつ、昭和・平成の日本の街並みを織り交ぜた独特な風貌を持つ宝町を舞台に、二人で一心同体の兄弟が疾走する姿に圧倒された。二宮と蒼井優の配役はハマり役。煌びやかなサントラはUKテクノの重鎮ユニ>>続きを読む
何か考えてそうで、何も考えてなさそうなオダギリジョーと眉間に皺寄せてる柴崎コウとの対比が良かった。ダンスシーンの2000年代前半邦画臭さも堪らない
ほぼ一泊二日の出来事で構成されていて、過去のフィードバック映像なしに家族の歴史や関係性を浮き彫りにしていたのが印象的。夏の終わりの帰省というどこの家族にも存在する行為から連なる風景は一服の清涼剤であり>>続きを読む
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正直目を背けたくなる描写もあったが、愛はどんな境界線をも飛び超える力が有るのだと映画における演技を通じてこれでもかと突き付けられた気がする。視聴後この映画のタイトルでもある『オアシス』という単語の意味>>続きを読む
貴船という小さな箱庭の中での2分間のループを延々と繰り返す、それを長回しで表現しているのが何より素晴らしいと思った。たかが2分じゃ大したことは変わらないし、行動することも難しいだけど、各人の心の中には>>続きを読む
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72分間ワンカットという究極の長回し。BGMは一切無く、人間ドラマも最小限に抑えまるで記録の動画をを見ているかのようなリアリティを映画という媒体を通して追体験出来た。この映画は2011年7月22日に起>>続きを読む
「はじめまして(^_^)」
1996年の公開当時、【Windows95】の登場で一般家庭にPCがどんどん入ってきたとはいうものの、ネット社会はまだまだ未成熟、このような表現はかなり実験的であったのだ>>続きを読む
視聴後「人生とは何か?」という本質的な問いが頭の中を駆け巡った。死んでから死後の世界へと旅立つまでの1週間、死者達は「そこ」で一番大切な思い出を選ぶという奇妙ながら誰もが一度は想像するであろう死後の世>>続きを読む
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開始数分で¥ØU$UK€ ¥UK1MAT$Uが登場して少し面食らってしまった。自分はテクノという音楽が好きだ。何故ならテクノを爆音で聴いている時自分と他者の境界が曖昧になりどんな境界線でも飛び越えられ>>続きを読む
"多様性"って言葉は良くも悪くも便利に使われている
普段の生活の中で誰かの趣味嗜好を軽薄に嘲笑ってなどいないか、誰かを理解してあげようなどと傲慢に思っていないか、そして相手を思いやり理解したいと切実>>続きを読む