Niylah

グレートウォーター:ヴロツワフの大洪水のNiylahのレビュー・感想・評価

4.0
1997年にポーランド・ヴロツワフで起きた大洪水。どこまでが事実でそして脚色かわからないけど、災害ドラマというより、水文学者トレメと彼女を取り巻く人間ドラマ(母と娘の親子関係)の割合の方が大きい。それなりに緊迫感があってつい一気に観てしまった。

自然災害の怖さはもちろん言うまでもなく。『チェルノブイリ』を観た時も痛感したけど、いつの時代もどこの国も、政府というのは嘘をつく。大災害が起きた時や起こりそうな時、重要な真実は決して一般市民には明らかにはされない。生死に関わる重要な情報ですら決して知らされない。政府やメディアの垂れ流す偽情報に騙されず自分の頭で考えるしかない。自然の脅威が迫ってくる直前に逃げ出す動物や昆虫たちのように本能で危険を感じとるしかない。自然の脅威ももちろん怖いけど、結局のところ人間による人為的なものの方がもっと怖い。

人間が造ったものは壊れてもみんなで力を合わせればいくらだって再建/やり直しは可能なんだ。命さえあれば。
Niylah

Niylah