胸糞親父の娘への執着、再婚相手の許容範囲の広さ、マリコの家庭の何もかもが気色悪くて理解に苦しむ。
ただこういう破綻した家庭は実際にあるから、マリコの終着点も含めて設定としては飲み込めた。
その後、シィちゃんは無鉄砲な奪還作戦・旅に出るのだけど、「約束していた海を見に行く」という建前で、マリコと向き合いながら自暴自棄になったりもする。
マリコの想いを人一倍知ってるシィちゃんだから、自分の中で生きる彼女を失う恐怖や、独断で死んでいった彼女への怒りが膨れる様はとても共感できた。
常にマリコを想い、問いかける主人公の葛藤は見応えがある。
ただ思ったより壊れ方が可愛いもんで、マキオの悟りも冷静で達観しすぎていて苦悩が見えないのが残念だった。
このへんは漫画で読んだほうが飲み込みやすいのかなと思う。
最後自由になったマリコを見て、多少なり自分自身の鎖から解放されたシィちゃん。永野芽郁ちゃんの新鮮な演技が合っていてとても良かった。
