桃

プアン/友だちと呼ばせての桃のネタバレレビュー・内容・結末

プアン/友だちと呼ばせて(2021年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

2023年3作品目。

ウォン・カーウァイが、「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」で注目を集めたタイのバズ・プーンピリヤ監督を惚れ込んでプロデュースしたという話題作。

劇場鑑賞間に合わず、心待ちにしておりました。

成程おしゃれな映画でした。
カクテルで元カノを見立てるシーンなんかは楽しいですね。
音楽の使い方や、色合いも、都市が舞台でありながら、ヴィンテージな色彩で回顧録を演出されていました。

少しずつ紐解かれていく、2人の友情。

情事の最中に電話に出てしまうような間柄(ただのワンナイトだから、もあるでしょうが)。病気の告知があり、すぐに駆けつける間柄。
しかし、親しき間柄にも、相手には言っていなかった、という事実もありますよね。
同性同士だからこそ生じる、嫉妬の感情、されど、純粋に幸せを祈る葛藤だったり。

誰かの人生を狂わせた、なんていうのは傲慢な話であり、知らず知らずの間に巻き込まれることはあったとしても、それはあくまで本人以外は環境であって、自分の人生は自分の人生。
選択したのは自分。
そして、全ては運命である。
好きなことわざで、「間違った電車に乗っても、正しい場所へと導かれる」というものがある。
まさに、ボスとプリムは、ボスの母親の一件もあり、離れるべくして離れた、再会するべくして、再会した。
美しいビーチバーでの再会、バックミラー越しの幸せそうな2人。

自分の人生の舵取りは、あくまで自分なのである。

1点苦言を呈すとすれば、HSP的には、ボスがしょっちゅうグラスを割ったり、テーブルをひっくり返したりするのが、精神衛生上あまり好ましくないので、もう少しモノを大事に扱った欲しいなぁと思っている所存。
桃