このレビューはネタバレを含みます
2023年6作品目。
ムーミンの生みの親、トーベ・ヤンソンのお話。
彫刻家の父親と画家の母親の元、芸術家になることを見込まれながら、イラストを描き続けたヤンソン。
戦争も経験し、自己との対話の中で生まれた世界観がムーミン谷。
童話画家というより、それらは全て、彼女のポートレートそのもの。
歯に絹着せぬ率直さと、内側に抱える孤独。愛した男と女。
何より、自分を愛するのが1番。
シニカルさを含むポエティックな会話が魅力的。
-嫉妬しないの?
-嫉妬心は思考の邪魔だ 自由でいないと
嫉妬心は
-感情を恐れてる?
-恐れちゃいないでも
溺れちゃだめだ
(市長に招待状の絵を褒められて)
-芸術家ではない方はお気の毒ね
でもブルジョワがいないと私たちも失業しちゃう
でしょ?
-ムーミントロールは何故いつも優しいんだ?
決して怒らない
-嫌われるのが怖いから?
-彼は臆病なの いつも不安なの
愛が彼を強くする
愛を邪魔されたら怒るわ