Amber

流転の地球 -太陽系脱出計画-のAmberのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

TOHOシネマズ日比谷。スクリーン11。D列13番。

この映画は今年の映画鑑賞47本目だが、その中で今年のベスト1映画になった。スコアも5.0では足りず、8.0くらいつけたいところだ。

この映画は『流転の地球/さまよえる地球』の続編だと思っていたが、前日譚だった。しかしそれでも今作の方が遥かに凄い作品だ。〈さまよえる地球〉では角川映画の『里見八犬伝』レベルに思えてしまう崩壊シーンなどがあったが、今作はそういう粗はなかった。それどころか、『デューン砂の惑星PART1・2』などのアメリカのSF映画を上回っているのではないかという凄さだった。息をつかせない凄いシーンの連続だった。

劉慈欣の小説を読んだときにも思ったが、中国のSFはこんな凄いことになっているんだ、と思ったものだが、中国の映画もこんな凄いことになっているのかと驚いた。何せ人口が多いから、本気を出せば世界一のものを作れるだけのものはあるのだろう。

はじめのうちは、リウ・ペイチアンとハン・ドゥオドゥオのシーンで笑いが起きていたが、途中からは泣けるシーンが多くなった。周りの観客からもすすり泣く音が聞こえていた。あるシーンでは明らかにヒクヒクと泣いている人もいた。決死隊の「50歳以上は前へ!」のシーンは、私も50台なので頭がくぉーっとなるくらい(私は高血圧だが、血圧があがったのかもしれない)感情が込み上げてくるものがあった。年寄りが名乗りをあげるのは、こういうときの定番だ。『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』に次ぐ泣ける映画であり、笑いあり、涙ありの映画だった。

今作は前日譚なので残念ながらチャオ・ジンマイは出ていなかったが、その代わり、アンディ・ラウの娘役の子役が可愛かった。

〈さまよえる地球〉も〈太陽系脱出計画〉も未来を描いているらしいシーンが見受けられたが、続編はあるのだろうか。

エンディングはCG映像が出来上がる前の途中の過程の映像を使っているのだろうか。

余談1。『流転の地球-太陽系脱出計画-』の上映開始のアナウンスで流転のことを「りゅうてん」と言っていた。「るてん」だと思うのだか。売店で「『流転の地球』のパンフレットってあります?」と聞いたら、スタッフが一瞬聞き取れない感じのリアクションをしたあと、取り扱っていませんと言っていたが、「りゅうてん」だからか?、と思ってしまった。

余談2。チーガユエ。7ヶ月。7はチーだというのは知っていたが、ユエは『砂の惑星 PART1』にDr.ユエという人物が出てきて、湯江?と思って調べたら、Dr.ユエ役は台湾の俳優のチャン・チェンであり、ユエは中国語で月のことだとわかった。

余談3。映画の上映前の『フェラーリ』の予告でドゥニ・ヴィルヌーヴの名前が出たので、『フェラーリ』の監督がドゥニ・ヴィルヌーヴなのか、『デューン 砂の惑星PART3』を撮る前に寄り道するかもと言っていたのはこれか、と思ったが、You Tubeで『フェラーリ』の予告を観てみると、〈傑作 ドゥニ・ヴィルヌーヴ〉とあった。『フェラーリ』に対するコメントだった。

余談4。『オッペンハイマー』の予告のナレーションを私の好きな俳優の渡辺謙がしていた。もしかしてオッペンハイマーの声をやっている?だったら吹替版(字幕版も捨てがたい)で次の次の休みに観ようと決めた。しかしどうやら、予告のナレーションだけのようだ。それでも、アカデミー賞映画でもあるし、決めた通り観ようと思っている。ちなみに、次の休みは『ゴーストバスターズ/フローズンサマー』を観ようと思っている。
2030年からミニ氷河期に入るという話もある。それを暗示した映画なのではないかと、映画館の予告を観て思った。

余談5。『流転の地球-太陽系脱出計画-』観たあと、家に帰ったら何を観るか決めていなかったが、映画の前の予告のときに真田広之主演のアメリカのドラマ『SHOGUN 将軍』の映像が流れ、あっそうだ、『SHOGUN 将軍』があった、『SHOGUN 将軍』を観ようと思った。

余談6。40年近いファンの南野陽子が出演するフェスがちょうど『流転の地球-太陽系脱出計画-』の上映時間に重なって、フェスのチケットはもう受付終了だったが、オンライン配信チケットがあり、見逃し配信はなかったので、迷った末、オンライン配信チケットは買わなかったが、こんな凄い映画なら、フェスの南野陽子をオンライン配信で観るのを諦めて映画を選んで正解だったかもしれないと思えた。

余談7。手違いで(登録時にメールアドレスの最後の.jpを忘れていたことが原因か。その場合、外国に.jp以前が私のメールアドレスと全く同じ人がいたら、その人にチケットが届くのだろうか)インターネットチケットが届かず、面倒なので先の席の隣のインターネットチケットを購入したので、片方の席を堂々と荷物置き場にできて、リラックスして観れた。

余談8。『流転の地球/さまよえる地球』のレビューで愚痴を書いてしまったが、『流転の地球-太陽系脱出計画-』があまりに凄かったため、結局、長いレビューを書いてしまった。レビューの変なタイトルもやめにした。
Amber

Amber