さらしな

PERFECT DAYSのさらしなのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
4.4
現代における禅の境地みたいな話。あるいは、おじさん萌えの日常系。あるいは、理想的な悠々自適独身生活。
トイレ清掃員として働く主人公の日常と、その日常の中で起きるちょっとした変化を描く。
風に揺れる青葉が美しいとか、手を挙げて横断歩道を歩く幼児が可愛らしいとか、そういったちょっとしたことで幸せを感じられることの素晴らしさ、心の豊かさや余裕を持つことの大切さを改めて感じる。「今、ここ」を生きる。まさに禅。まぁ、主人公は完璧超人ではないので、怒ることも不機嫌になることもあるし、その不完全さがまた愛おしいのです。
独身のおじさんの生活、というと孤独で寂しいイメージを抱きがちだが、職場のダメダメだが憎めない若者から慕われ、行きつけのお店がいくつもあって、姪っ子からは好かれている、一人だけど独りじゃない。まさに理想。ちょっと都合が良すぎるくらい、と思ってしまうのは僻みだろうか。
自分が生きることのできる世界を認めて、どうやって自分なりに満足して、納得して生きるのか、ということを考えさせられる作品。
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