さらしな

二郎は鮨の夢を見るのさらしなのレビュー・感想・評価

二郎は鮨の夢を見る(2011年製作の映画)
4.2
ミシュランガイド東京で三つ星となった銀座の寿司屋「すきやばし次郎」の店主小野二郎のドキュメンタリー映画。メニューはおまかせのみ、店は狭くカウンター10席のみ、しかも店内にトイレはない。しかし、三つ星を獲得し、オバマ大統領や安倍首相も訪れた紛れもない名店。本作が撮影された当時85歳の小野二郎は、現役で腕を振るい、華々しい評価を得てもなお、邁進にいとまがない。
黙々と淡々と日々仕事に向き合う姿は、まさに職人、これ以外に表現の仕様がない。そこにきらりとひかる宝石の如き寿司。寿司を美味そうと思うことはしょっちゅうだが、美しい、と感じたのは初めてだ。一口で食べられてしまうほどの大きさの握りひとつに、どれほどの手間が掛かっていることか。異常なまでのこだわりと向上心で作られる寿司ひとつひとつが、ひとつの芸術作品のようで、本当に、美しい。
小野二郎をはじめ、跡取りの長男や暖簾分けした次男、お店で働く弟子たち、仕入れ先の魚屋さんや米屋さん(彼らもなかなか癖が強そうで、類は友を呼ぶなぁ、と思ったりもした)、彼らの顔つきが、印象的。かくも職人は格好良いものか。
さらしな

さらしな