新木

四月になれば彼女はの新木のネタバレレビュー・内容・結末

四月になれば彼女は(2024年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

藤井風の新曲「四月になれば彼女は」の108分に及ぶMV。今回はイントロに入るまでの豪華(じゃなくて客を呼べるといったほうがよいか)俳優陣に山田智和を監督に招いて映画的なしつらえにしたのですね。

といった印象でした。ウユニやブラックサンドビーチなどの視覚的ごまかしやキリンの睡眠時間が20分といった小ネタは不要なので、弥生がなんで出てったのか/なんで戻ろうと思ったのか。それに対する藤代のアクションや葛藤的なものをもっと見せていかないとほんとセリフとかなしのMVとしてしか鑑賞できない(春の物語も描き足りなさすぎて、病気?お父さんどうした?になってる)。話としては、儚く健気な元カノの美少女(といっても森七菜の設定も30歳くらいなのかな)が存ぜぬうちに発症していた病に倒れてゆかりもなさそうな海沿いのきれいな施設で亡くなる流れを含み簡単に涙を流せる設計になっておりますので、それなりの満足度は提供されることはご安心くださいませ。

また、こういうときに佐藤健を主人公にもってきてしまうのを見るだけで邦画の現在地に嘆息せざるを得ません(誰か詳しい人に彼が評価されている点を解説してもらわなくては)。さらに東宝や原作者からの仕事のつながりを期待してか、褒めているライター陣にも辟易。監督のカットはさすがの美しさなので、ご自身の目指したいところをちゃんと見定めて日本のどうしようもないコミュニティのなかで消費されずに良い作品を長く撮っていただきたいと強く願います。

「四月になれば〜」のタイトルに、ヒロインたちの名前を「弥生」や「春」にしちゃうあたりがすべてを物語ってますわ。「ペンタックス」ってあだ名をずっと略さずに長いまま呼んでいる藤代もやばくて仲野太賀が問うた出てった理由の答えはこれかも
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