盗聴のプロフェッショナルの「視点」からえがかれる異色の心理サスペンス。
「盗聴するもの/到着されるもの」がつくりだす構図も面白いが、なんと言っても、聞こえている断片の向こう側にほんとうはなにがある…
厳格なクリスチャンである彼が、叩き割って引き裂くマリア像の空洞に怖気が走る!デュバルの死に様も酷いが、軽薄な仲間たちとのやり取りも辛い!カザールの浅薄さも。最期は現実と妄想がドロドロに混ざり合って、…
>>続きを読む1974年のパルムドールを受賞した作品です。よく言えば渋くいぶし銀、悪く言えば地味な映画でした。全体の雰囲気や音楽、そしてジーン・ハックマンの哀愁漂う演技はかなり良く、まさにパルムドールにふさわしい…
>>続きを読む役者の演技のリズムと編集のリズムが絶妙にマッチした映画はそれだけで魅入ってしまう。この作品はそんな映画だった。名匠ウォルターマーチの編集技術を堪能した。編集ってのはただ映像をぶつ切りにしてそれを適当…
>>続きを読むコミュニケーション、プライバシー、私的な領域、公的な領域、通じ合うこと。
盗聴という行為を通して、人は本質的に通じ合うことはできないということを見せられたような気分になる映画だった。
人の生活の中…
自分の犯した過ちから悩まされ続けるという不都合から解放されようと試みると、いずれ不都合な人間を秘密裏に排除することすら自分のためならと肯定するようになってしまいますよ。あの副社長のように。というお話…
>>続きを読むこのレビューはネタバレを含みます
本作の骨太な出来に感嘆してしまいました。フランシス・フォード・コッポラ監督は特殊な裏街道の社会を描写させられば、本当に一流ですね。シドニー・ルメット監督は正義漢を、マーティン・スコセッシ監督は血生臭…
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