大人な映画だね。
人間哀歌。
静かに壊れていく男。
カメラワーク、構図は流石すぎる。
トップカットの長回しから演出の腕とセンスがビンビン。抑制の効いたミドルカット。フィックスで静的に押さえ、無用なカットを挟まない。そして画面から途切れることのない緊張感。いやー大人。
だけどストーリーはもうちょい盛り上がりと言うか、カタルシスが欲しかった。実際、後半は事実と妄想が混在して、ちょっと分かりにくかった。いや、狂い始めた主人公の心理描写ってのはわかった上で。
ぶっちゃけそんなに良心の呵責があるなら盗聴稼業なんてしなきゃいいのにね。でも根っからの性癖というか、サガなのかな。
最後は信奉していた神さえ疑い、全てを信じられなくなった世界でひとり虚にサックスを奏でる男。うーん大人。
いや、て言うかフレド、おめー相変わらずしょーもねー奴だな笑