大道幸之丞

獄門島の大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

獄門島(1977年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

横溝正史ミステリーの角川作品としては地味な出来だ。

「獄門島」は元は「北門島」と呼ばれ、そのうちに「流刑地」となったさいに「獄門島」になまったとされる。

「本家と分家の骨肉を争う戦い」といえば格好いいが要するに
本家の主、先代の鬼頭嘉右衛門(東野英治郎)が周囲の女という女を手当たり次第に手籠めにし子を産ませた結果——といえばそれだけだ。
問題の「核」が狭範囲すぎる。

そして当然の帰結として遺産相続で争いが起こる。

金田一耕助石坂浩二シリーズとしてのフォーマットは踏襲されており
毎度の如く発生する殺人は毎回奇異で無惨なもので、それぞれにトリックとヒントが隠されてあるが、今回は屏風に貼られていた3つの俳句で読まれた内容が順になぞるように殺人が起こっている。

そして犯人は結局1人の怨念が2人を動かした結果であった。

時間軸のせいか等々力警部(加藤武)と金田一耕助が面識がない。

殺人を犯す動機はやはり伏せられながら物語は進行するので、鑑賞者にはフェアでないが、本作は鑑賞しながら推理を行える趣向になっていないだけだと思う。

当時17才の完全にバカっぽい浅野ゆう子の演技が見れるのは貴重といえば貴重とも言える。