梅小路梅子

乳房よ永遠なれの梅小路梅子のレビュー・感想・評価

乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)
5.0
大傑作。中城ふみ子逝去の翌年に公開、田中絹代の気合いとリスペクトを感じる。
ジャッジメンタル(男性視点)なフィルターなしに女性の顔や脚、乳房、心までもまっすぐに美しく捉えた映画って観たことなかったのかも、と気づかされたわ。
月丘夢路演じるふみ子は今を生きていたかのように近くてリアルだった。後半死に向かうにつれ湧き立つ生の濃さよ。
黙って病室を抜け出し池の淵に座って歌を作るシーンが心に残っている。戦争や癌がなければ、ふみ子はずっとこんな風に歌を作り好きな人と暮らしていたのかなと。
印象的な手鏡を使ったシーンなんかまさに入院中の女性の視点で、脚本もカットも丁寧に考えて作られていてキメるところはキメる。そういう意味でも見直したくなる。
最期の歌を子どもたちは実際どう受け取ったのかはちょっと気になったけど、そう詠んだふみ子にふさわしい映画だった。
国外で今後もっと再評価が高まる作品だろうけど日本のいい映画埋もれすぎでは、、アマプラに入ってるのはすごい偉いありがたい。もっと見られてほしい。