梅小路梅子さんの映画レビュー・感想・評価

梅小路梅子

梅小路梅子

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街のあかり(2006年製作の映画)

3.6

犬がかわいいとにかくかわいい
アパートや街並み、バー、裁判所や刑務所まで、質素だけどデザインされた空間に心が落ち着く
マフィアやチンピラファッションも何気にオシャレ
あとカウリスマキ映画の、バーやカフ
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故郷の便り/家からの手紙(1977年製作の映画)

3.6

アケルマンらしい反復表現と鬱屈としたムードが延々と漂う映画。
最後NYから離れるとき手紙はないんだけど、どんよりとした天気と霧の中に消えて遠くなる街が、もう二度とこの街には戻ってこられないような悲報も
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

4.5

ユーモアもセンスもベルリン流
前衛的すぎるように思えるけどNEU!もHelmut NewtonもKraftwerkもすでにいたのだから、ベルリンで生まれるべくしてできた映画なんだろう

タベアブルーメ
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ドント・クライ プリティ・ガールズ!(1970年製作の映画)

3.8

ハンガリーのフォーク・サイケ〜プログレ前期のロックがずっと流れてて最高。詩がいい。
古典の詩を曲にした「清らかな心」が特に好きだったけど、詩人の名前を覚えていないしバンドを調べても情報全然出てこない
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

3.6

「成熟して女としての力を失っていく役を演じる…」て翻訳されてるところまじで応えた、成熟して?
結果彼女は女優として打ち勝ったのだけどこの闘いはなに
たしかに第2の女が現れてからの人生は違うものだよね
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恋の秋(1998年製作の映画)

3.9

うわって思う言動をロメールが嫌味なく否定せず描いているのがわかるから、いや人の心の中なんてそんなものだよねとフラットに観ていられる
そういうシーンはふっと訪れて流れていくからどこにその秘密があるのかわ
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ペトラ・フォン・カントの苦い涙(1972年製作の映画)

4.5

初ファスビンダー
ラストの痛烈さ、カメラアングル、目が開くわ
これはこの人にしかできない映画
ラスト二人ともほのかに口角が上がって微笑んでいるように見えたのなぜ

中盤のハイライトは一生垂れることのな
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あなたの目になりたい(1943年製作の映画)

-

前半はこれもう葬っていいやつじゃんR.I.P.って感じで全然楽しめなかったけど、後半の歌とセリフは良かった。
闇夜は懐中電灯つけて歩く時代。知らない同士でご一緒しましょうって帰路につくの、まだ人が自然
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無頼 殺(バラ)せ(1969年製作の映画)

5.0

やくざが「懐メロ演らせろ!…っなつかしのメロディだよぉ!」つって始まるフラワーズのサイケな君恋しカバー最高すぎる。スケルトンの床で踊るゴーゴーダンサーたち、その下で繰り広げられるバラし合い、血飛沫、鬼>>続きを読む

永遠のガビー(1934年製作の映画)

-

洗練された衣装たちにうっとり…
オーガンジーが施されたイブニング、どういう構造かよくわからないベルベットコート、ベアバックタンクにセイラー風パンツなど。衣装にこだわる映画久々に見た、最高。
古さゆえ野
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セールスマン(1969年製作の映画)

5.0

60年代アメリカで聖書を売り歩く営業マンに密着するっていう構想の時点で作品のおもしろさが約束されたようなものだけど予想以上だった。
余裕のない者が同じような経済力の家庭に不要な聖書を売る攻防戦を見続け
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時の氏神 新夫婦読本(1960年製作の映画)

2.8

すでにタイトルもストーリーも忘れかけてた。昭和のセリフ見本帳みたいな映画で船越英二だいぶ無理してるな?という印象だったけど、なんだかんだクスクス笑える。
線画を使ったタイトルバックがかわいい。

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

3.2

ライティングなのかメイクなのかカメラなのか、西洋の宗教画が喋ってるみたいな技術すご
二人ともあそこで涙しながら別れを選ぶ顔つきしてないから、ラストはなんか置いてきぼりいうかどうでもよくなっちゃった
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ヘルムート・ニュートンと12人の女たち(2020年製作の映画)

4.0

被写体たちの言葉や語っている時の表情が全てという感じするな。
特にイザベラロッセリーニ、シャーロットランプリングの話はおもしろかった。ここまで深い解釈ができるのは実際に対峙した者ならではな気がする。ヘ
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危険な女(1959年製作の映画)

3.0

渡辺美佐子の視線が鋭く危うく美しいが、危険な女ではない。原作どうなってるか知らんがこれだとただ同情するしかないからラストはもっと考えてほしかったナ〜

バビロン(1980年製作の映画)

5.0

激アツ。生きるための音楽しか流れてこなかった。血の音楽。俺たちの歴史を教えてくれっていうライン刺さった。
脚本、カメラワーク、ラストのセンスなど音楽以外も映画としてとても良い。
社会が少し前進したり後
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恋する惑星(1994年製作の映画)

3.5

はまるタイプの作品ではないけど、めちゃくちゃ感覚派という感じがして良かった。
金城武とフェイウォンのPVとかコマーシャルみたいな感じもするけど、、

90sの自分アゲ⤴︎なガールズカルチャー
時代感と
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みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.5

川ヴァカンスーー!
Harlem riverが沁みる。
フランス映画に出てくる会話と田舎の自然と歌謡曲、大好き。
ウィード男が最初から最後までナチュラルハイでずっとツボだった。また見て笑いたい。

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

5.0

初めて作った映画がこれってかっこいい。
実在の人物をベースにしてるらしいけど、バーバラローデンの本質を捉えた視点が見たことない新しい映画にしてると思う。
アウトプットの軽さ、柔らかい色彩感覚もすごい好
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乳房よ永遠なれ(1955年製作の映画)

5.0

大傑作。中城ふみ子逝去の翌年に公開、田中絹代の気合いとリスペクトを感じる。
ジャッジメンタル(男性視点)なフィルターなしに女性の顔や脚、乳房、心までもまっすぐに美しく捉えた映画って観たことなかったのか
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満月の夜(1984年製作の映画)

4.5

好き!主要人物3人全然好きになれなかったけど、見終わったら結果この映画好きだわってなってる。

ロメール × パスカル・オジェの黒とアイスグレーの世界。
モンドリアンが似合う80年代フランス郊外の部屋
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狂熱の季節(1960年製作の映画)

3.8

不良のボタンなしシャツの着こなしが超洒落てる!エフォートレス。
怒りと虚無が混じったマッドな演技と、血を掻き立てるジャズの音圧、それらを引き立てる荒いカメラワークが良かった。
ストーリーのしょうもなさ
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結婚相談(1965年製作の映画)

1.5

いろいろと呪われた映画でしょ
ラストさむすぎてゾワゾワした
あれが救いだと思えるのか、?
月曜日のユカ作った人とは思えないセンス

レネットとミラベル/四つの冒険(1986年製作の映画)

4.5

ロメールで1番好きかも
4つ目のストーリーからエンドクレジットにかけての軽快さ、ポップさ超いい気分

田舎の草原の木の下、山々を背景に食事するシーンは逆に違和感があるほど完ぺきすぎた

ジャズりんごか
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木と市長と文化会館/または七つの偶然(1992年製作の映画)

3.8

新しい施設がいるかいらないかの大人たちの主張はほぼ聞いてなかったけど、こんな風に議論できるの健全。
児童の主張が控えめだけど訴求力あってとても良かった。
話の落とし所も最後のシーンも、ロメールさすがの
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飛行士の妻(1980年製作の映画)

3.2

なぜだろう、今まで見てきたロメール作品と比べると退屈してしまったな
ロメールは都会より田舎で撮ってる方が好きかも

アンナの出会い(1978年製作の映画)

3.7

最後の留守電のシーンだけ永遠に流していてほしい。
母親との対話だけが、リアルだった。
ホテルの部屋の扉の前に置かれた誰かの食べ残しのグリーンピースをつまみ食いするの、名シーン。
それ以外はあまり好きに
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

5.0

うまっ
一連の動作もルーティンのよう
惨劇は突然起こるように見えて、穏やかにやってきてるし緩やかに起こってる。でもその足跡に気づくのは全てが起きたあと。
こういう「平坦な戦場」を映しだす作品大好き。誰
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パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)

5.0

英題 : I Can't Sleep
なんてセンスよ
系譜や脈略、知識、技法などいろいろあるのだろうけど最終的にはアイデンティティとセンスのもんだいだとわかる。
映画的選択と、服や生活品に表れるリアリ
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クレイグの妻(1936年製作の映画)

2.5

最後テキストでまとめる意味がわからなかった…ど直球でその一文なの…?笑
アップの撮り方とかもなんか仰々しくて退屈してしまった
これはそもそも原作の問題なのかもだけど、教訓映画としては極端すぎる内容だし
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暴行(1950年製作の映画)

3.8

暴行を受けた主人公が好奇の目を向けられ別の男性に詰め寄られPTSDと二次被害にも苦しむが、「心を病んでいるのは犯人の方で、それを放置してきた私たちの責任でもある。」と牧師役の俳優に力強い眼差しではっき>>続きを読む

他人の顔(1966年製作の映画)

4.5

皮膚(顔)に強いコンプレックスを持っていたら自分を殺すか狂うか劣等感の跡を貼り付けて生きていくしかないのだろうか。私情を挟むとどこかに少しでいいから救いや希望がほしかった。わたしにはあまりにグロテスク>>続きを読む

おとし穴(1962年製作の映画)

4.0

武満徹の音楽は序盤ちょっと過剰じゃないと思ったけど、中盤おもしろくなってきましたぁ…!と高揚している自分にはぴったりでした。

殺し屋の正体が田中邦衛とわかった時反射的に笑いそうになった…飄々としたサ
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砂の女(1964年製作の映画)

4.8

オープニングからセンスの塊。ただならぬ映画の予感。
地形図に印鑑に指印ですか、もうその時点で参る。英字フォントの組み合わせもかっこよい。

砂を、安部公房の世界をこんなにも恐ろしく美しく映像にできるこ
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.2

本当に全てを終わりにしたい人の目をしていて、つらくて途中で放置してしまった
しかしやっていることは無意識的に救いを待っているかのような行為で、見ていられなかった

あらゆるものが生まれる土に還りたいと
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