田最環

アキラ AKIRAの田最環のレビュー・感想・評価

アキラ AKIRA(1988年製作の映画)
3.3
やっと映画版を視聴。
漫画版と異なり、全体的に端折られてまとめられている印象。
作画が製作された時代を考えても、現代アニメに匹敵あるいは超えるレベルでえげつない。ほぼ手書きで書いたらしく想像をするだけで恐ろしいほど力を入れている。
特にバイクで走るシーン、鉄雄が戦闘するシーンは圧巻。若干後半は、作画が粗い面もあり、微妙に顔幅が狭かったり目幅が狭くなってたりしてるところあるけれどそれでもすごい。

これが製作された時、AKIRAはまだ完結してなかったらしく、漫画版のオチはこれを踏襲したのかな。
原作読まないと、やや話が飛んでいるように見えること、キャラの設定がよくわからなさそうなストーリーだと感じた。
能力者のメガネおばさんがただの怪しいカルト系キャラになっているのが笑えた。タフなおばちゃんも登場せず、竜の活躍もあまりなかったですね。アキラくんもまさかの臓器状態で出てくるのは驚き。
キャラデザがリアル感あって良い。アジア人にありがちな、細い目、低い団子鼻、ややでっぱった口、横から見たEラインのなさが描かれていてイイ。それでいて台詞にあった口の形も描かれているのが印象的。
能力者たち三人の声が子供だったのが驚いた。演技もそこまで上手く感じなかった。


また、原作にはない台詞がいくつかある。ネットミーム?にもなっている「コイルが暖まってきたところだぜ」や、「さんをつけろよ、デコ助野郎」など。ほかにも東京オリンピックで話題になった「中止だ、中止」。


原作は読破済み。
アキラをはじめ鉄雄、老人男女が持つ力は国が研究していた研究から引き出されたもの。人間の進化の過程で身につくらしいから、「もう始まってる」というのは未来の人間はこの力に適性がある人が増えることを示唆してるのかな。

原作版は、アキラと鉄雄がビッグバンを作り出して別次元の宇宙に飛んだオチだと解釈した。力はないものの、適性がある金田とケイも連れていかれそうになったが、手を繋ぐシーンから、地球にとどまれたんだろうね。

というかAKIRAの主人公がまさかのアキラじゃないというね。AKIRA初見の人は驚くよね。ゼルダもあの主人公の名前、ゼルダじゃないみたいな。あと漫画のサイズがデカい。作画の凄さを維持するにはああやるしかないんだろうね。電子書籍がないのもそうかも。

おばさんがタフでめちゃくちゃ活躍する。
16号のキャラデザがサイバーパンク感ある作品に、似通ったデザインで出てる気がする。
田最環

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