田最環

パラサイト 半地下の家族の田最環のレビュー・感想・評価

パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)
3.5
公開時とても話題になっていた印象だが、ようやく視聴。
韓国映画は韓国語免疫がない為、音声は日本語にしました。

とある貧乏な家族が息子の紹介話により、富裕層家族の中に取り込んで地位獲得を目指そうとする話。

展開は想像できたが、なかなか面白い作品で、序盤から終盤まで無駄なく引き込まれた。特に、深夜に突然なるインターホンの展開からが印象的。
社会風刺かと思いきやコメディチックなところもあり、エンタメと社会問題を両立しててすごいと感じた。また伏線らしき箇所が多くてすごい。特に石が印象的。

半地下の家?部屋?があるのに驚いた。作中でも説明されてましたが、韓国の隣が北朝鮮だからミサイルシェルターの役割なんでしょうね。
バケツで水かけるシーンのスローモーション映像が楽しそう。

一見ガバガバに見える計画でもなんとか繕ってやっていたのが、一夜の雨にして瓦解していく様がよかった。

貧乏人がどれだけ頑張っても、生まれついた貧富の差は拭えないという悲しさが見てとれた。あの臭いが象徴的。また住む世界が違いすぎるがゆえに、無自覚な差別?感性の違いがあるんだなと。父の無計画のくだりが絶望感を感じさせていい。
富裕層夫婦をあれだけ表面上いい人に描いてるのがすごい。まさに衣食足りて礼節を知る。奥さんはなんだかんだ新しい男と再婚してそう。笑

コメディっぽいけれど笑えないと言う点では、「帰ってきたヒトラー」を連想。

貧乏家庭はあの流れだと正式に採用されたのはジェシカだけでしたね。それでいてあの手間のかかる子供を礼儀正しくさせる有能さ、富裕層の家が似合うといわれる資質を持っていながらも殺されるという、能力がありながらも成功するとは限らないという皮肉を感じさせた。トイレの上でふかすタバコのシーンがカッコよかった。

ラスト、家を買って父さんと再会しましたオチじゃなくて良かった。願望はあれど、まあ無理だろうなぁ。石も捨ててるし、ある意味決別なのかも。

それより家庭教師紹介した友人が気の毒。富裕層家庭はめちゃくちゃになるわ、狼に寝取られると思いきや友人に寝取られ?されるし。

今の韓国、少子化えぐいんですよね。日本より低くて、1切ってるとか…。新卒でも無職多いって聞くし、それほど格差社会がある韓国を描写してる。

体臭、臭いには気をつけたいですね。
ジャージャーラーメン気になるなぁ。

◾️気づいた伏線?
・やたら家庭内でも丁寧な言葉遣い
→息子がやたら父にも丁寧な敬語みたいな会話。吹き替えだからか?儒教文化?

・放尿シーンの大洪水発言
→貧富層にとっては後に本当の大洪水被害を被るが、富裕層は何の影響もなくテントが濡れるだけ

・前任家政婦はよく食べるという主人の発言
→よく考えたら、ヒキニートの夫の分も確保してるからその分も合わさって二人分だったのかも

・台湾カステラ
父と地下の夫も背景が似てる

・ゴキブリ
母が父をからかってゴキブリみたいと話すが、終盤は予言通り家族をおいて逃亡して地下に潜んだ。また、序盤に消毒薬を撒かれても黙々と作業をしていたしぶどさ?

・友人からもらった財運やらを招く石
やたら石を持っている描写が多い。兄が死ななかったのはこの石が偽物だとか?
田最環

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