田最環

孤狼の血 LEVEL2の田最環のレビュー・感想・評価

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)
3.5
前作が面白かったので続いて視聴。

大上の亡き広島県警でヤクザ間の抗争をおさえてる日岡。そこに前作、殺害されたボスが率いていた五十子会残党、上林が出所してしまう。上林による抗争を収めるべくまたもや孤軍奮闘する話。前作は大上、日岡の関係性を描いてたが、日岡が大上ポジションで、駒としてチンタにスポットが当たっている。

面白かったけど、個人的に前作は超えなかった。広島県警の腐敗、上林組、尾谷組との抗争、チンタと姉との関係を描いてるが詰め込んでて余韻がなかった気がする。

上林演じる鈴木亮平の演技が凄まじい。日岡、チンタから恐怖を引き出させてると感じた。

チンタが明らかに殺されるキャラで笑った。上林にクスリ漬けにされて飛ぶことができなくなるところが怖い。村上虹郎ってイケメンだけどやられ役が様になるよなぁ。背が低いからなのかな。
チンタがヤクザの鉄砲玉になった背景がなかった気がするのでそこがもう少し掘り下げたら良かったかも。

相棒が公安と酔って漏らした時点で察してしまった。公安上がりにも関わらずヘマをしたりするポジションか、嵯峨と内通して裏切るのでは?と話が読めた。
部屋ががらんどうになってるシーンは、奥さんの笑顔、息子が亡くなった設定?を思い出すと一層恐ろしい。
現実では、公安って警察仲間どころか身内にも存在を明かさないだとか言われてるらしいけど…。最後の新聞記事、高木ってのも相棒のときは偽名だったんでしょうね。

終盤に新聞記者が親切心ながら、日岡に上層部が日岡を潰そうと企んでることを明かしてくれるが、序盤の上林出所もその伏線なのかも。普通、刑務所で暴力起こしたら刑期延びるはずですよね…。報復が怖いから早めに解放、矛盾してる気がする。

後半の警察署からの逃亡、ヤクザと警察のタイマンの展開はすこし醒めた。刀で刺すあたりの2人の演技が凄かったが。

亡き大上を意識してかきっちりとどめを刺した日岡、左遷された田舎の森で存在していないと言われていた狼を見つけたことで新たな狼の誕生を描いてるように感じた。おおがみ(オオカミ)なだけに。
田最環

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