田最環

THE BATMAN-ザ・バットマンーの田最環のレビュー・感想・評価

3.9
ロバートパティンソン演じるバットマンシリーズ一作目?

従来のヒーローアクション映画というよりサスペンスものを見てる感覚だった。
ノーランバットマンのようなアクション期待してる人はあまり面白くないかも。
個人的には好き。
全体的に謎解きのイメージが強かった。

昔はハリポタはじめトワイライトとかで、アイドル的な俳優のイメージだったけれど、ブルースウェインを演じるロバートが渋くてかっこいい。クリスチャンベールより好み。ダークナイトで印象的な低めのボイスがなく、基本的に穏やかで冷静な印象。

復讐に取り憑かれ、ろくに飯も食わず寝てないような顔つきが色気がある。
意外とロバートっておでこ広いのね。
バットマンとして自警をし始めてまもないのか、体も引き締まってはいるがダークナイトと比べるとそこまで筋骨隆々ではない。
また、スーツを脱ぐとあざや傷があらわになっているのが、ただの金持ちで強い一般人感が強調されていてよかった。

コスプレしたヤバい変質者が復讐の為暗躍していたが、街の希望になろうと変わっていく様を描いててよかった。
警察も終始、協力はするけれどコスプレしたやべーやつ扱いなのが笑える。バットマンもヒーロー扱いされてるけれど側から見れば狂人だよね。

原作はあまり知らないが、ペンギンもヴィランの一人だと思うが活躍しなかったので驚いた。火だるまの中から登場するバットマンを眺めるペンギン視点ではコウモリのように逆さまになっているのがおしゃれ。
足枷つけられて歩くところがシュール。


全体的にバットマンになりたてのころのブルースウェインを描いてるのかなと感じた。バットマンになって二年後の話なんでしたっけ。
警察から追われて飛び降りるシーンにやや躊躇を感じてたり着地失敗して足を引きずるなど、まだ不慣れな一面が見られる。
戦闘も拳が基本で、ダークナイトで印象的なバットモービルなどといったハイテク技術はあまりなく、現実味ある戦闘で感心した。スーツの防弾性能、それに耐えるロバートもすげえ。

ダークナイトとは対比になってる作品だなとも感じた。あちらはあくまで裏側から街を守る、監視する闇の騎士になるといった目的だったけれど、こちらは親が殺されたということによる復讐に取り憑かれた男が復讐をやめ皆のヒーローになることを示唆していると感じた。
ダークナイトは警察に追われ闇に潜んで消えていったのに対して、こちらは松明?掲げて子供の先導をしたのが対比的。

終始やや暗い場面である分、最後の人助けをして、子供から腕を掴まれたり、泥まみれながらも光のある場所でヒーローとなりつつあるバットマンが心にくるものがある。

謎解き、日本人にはあまりピンとこないかも。
動かない嘘は、still lies のstillそのものにじっとしてるという意味なのかな。

今作のヴィランはリドラーだが、ウェインが正体バレてると思っていたが、リドラーはバットマンと共犯のつもりでメッセージ送ってた、というのが皮肉で面白かった。
リドラーのヘラヘラしつつも歌ったりする演技が上手くていい味をしてた。

洪水でインフラ壊滅するゴッサムシティに驚いた。海が近いのかな?
田最環

田最環