海に行けばよかった

トリプルX ネクスト・レベルの海に行けばよかったのレビュー・感想・評価

2.8
新作観る前の予習として。ヴィンの兄貴はバカンス先で殺された設定になっており、軍縮推進派の大統領に反対し、クーデターを画策する海兵隊上がりの国防長官ウィレム・デフォーに対抗する新たなトリプルXは、サミュエルの軍隊時代の同僚でいまは服役中のアイスキューブ。
前作に比べてスパイ要素もエクストリームスポーツ要素もなく、アクションもCG多用だったり全体的に鈍重でスピード感がなかったり。アイスキューブは意外とアクションにキレがあって見れるのだが、ヴィンの兄貴に比べるとどうにも華がない。黒人ヒロインも敵の女軍人も前作ヒロインほど魅力なし。メカニック担当のトビーの出番が増えたのはいいとして、サミュエルはミステリアスな魅力が薄れてただの実直な軍人キャラに成り下がるしと、これもう続編じゃなくてよくない?
前作の後に見るとガッカリするが、カーチェイスのほかに、ボートで川から橋へ乗り上げたり、戦車をカタパルトで飛ばして敵戦車を撃墜したり(このシーンだけは笑えた)、大統領専用列車に車で飛び込んだりと乗り物に新要素を盛り込む努力はしているし、海兵隊精鋭部隊VS武装したスラムの車泥棒集団というシチュエーションも面白く、退屈はしない及第点レベルのB級アクション。
しかし省庁の銃器を民間会社がチーズと騙されて運ぶというシチュエーションといい、冒頭NSA支部を襲撃するハイテク忍者集団(結局その後出てこない)といい、ツッコミどころ満載の前作よりさらに偏差値が下がっている。
あと、前作はBGMにメタルが多かったが、今作は主演が主演なのでヒップホップやラップメタルが中心。
白人・独裁VS黒人・自由という対立軸に漂う政治臭にもしらけてしまう。こっちはスカッと爽快なアクションを期待してたんだよなあ。