Arsenyevich

楽園の瑕 終極版のArsenyevichのネタバレレビュー・内容・結末

楽園の瑕 終極版(2008年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

勝手な想像ながら、武侠アクションものをウォン・カーウァイがどう切り刻むのかと思ったら、複雑な恋心、人間模様の群像劇を描いたいつもの語り口とスタイルで、終始落ち着いて見れる作品。じっくりと見入ってしまった。

それにしてもどうやって、こんなに美しく洗練された画を作り出せる事ができるのか。
砂漠に映える真っ青な青空、
湖面の揺らぎ、
千変万化し続ける砂粒の動き。
これも撮影:クリストファー・ドイルの成せる技なのか。

一番印象的だったのは、鳥籠のシーン。
移ろい行く光と影に、
心情の変化をここまで捉える撮影技法。
何度見ても、このカメラワークと静けさ、語りがたまらない。

辺境の地を舞台にした常連の俳優陣の雰囲気もバッチリ。
失明寸前の剣士、トニー・レオンの眼差しは相変わらずシビれるくらいかっこいい。
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