海に行けばよかった

パージ:アナーキーの海に行けばよかったのネタバレレビュー・内容・結末

パージ:アナーキー(2014年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

とにかく設定を楽しむシチュエーションスリラーだった1作目から、政府による人口・経済統制だというパージ法の仕組みを明らかにする、スケールアップした第2作。
訳もわからず巻き込まれた主人公の恐怖よりも、恐怖を起こす装置の仕組みを描く2作目という点がホステルに酷似しており(誘拐された人々が富裕層のマンハントゲームの標的にされる点も含めて)、鼻白む。
息子の敵討ちを目論む刑事、自衛手段を持たぬ貧困層ゆえ狙われたウェイトレス母娘、たまたま開始時間に家に帰れなかった夫婦らの群像劇になっているが、人間ドラマとしての深みは特になく、パージ反対派の武装蜂起など、むしろ社会派風の装い。
意外性に乏しいストーリー展開もアクションもいまいちだが、パージ参加者の多彩なマスクの禍々しさ、火炎放射器でホームレスを消毒するモヒカンヤンキーの世紀末っぷりと、画的にはけっこう魅力的。