一休

ゴジラvsコングの一休のレビュー・感想・評価

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)
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オイラが生まれる前に作られた【キングコング対ゴジラ】から60年目にして作られた、アメリカ製のゴジラシリーズ第3弾になるのが【ゴジラ対コング】となるわけだ。
アメリカ製のゴジラシリーズは、確かにエンタテインメントではある。
しかし、白人は基本的に怪獣というものが分かっていない。
だから、怪獣が戦えばそこに順列が着くと思い込んでいる。
これは、前作の【ゴジラ/キング・オブ・モンスターズ】でもそうだったんだが、日本では怪獣同士はあくまでも対等で、ラドンがゴジラに頭を下げるなんて事はないし、戦うのは強い者同士が出会った「獣」としての習性でしかない。
日本人にとって、怪獣は常にいつか必ず来る厄災であり、それから逃れることも、それを排除することも出来ない。
そういうものがあると分かっているから、日本の怪獣には順列が無いのだ。

今回の作品が【ゴジラ対コング】とあえてキングコングと言っていないのは、そういう訳だろう。
観る前に「ヘドラ出てるかもしれない。」といったら、「ヘドラ出てないでしょうけど、観終わったら感想レビュー待ってます。」と言ってくれる人がいたのだが、ヘドラは出てこなくても、メカゴジラが出てくる。
しかも、人間が作ったメカゴジラが今までにないぐらい、圧倒的に強い。
ゴジラを圧倒し、瀕死状態から蘇ったコングが参戦して、やっと互角に戦えるっていうぐらいに強いのだ。
これも、「人間賛歌」の白人らしいシナリオだ。
人間なんて、たかだか100万年前に発生して、現生の一種類しかいなくなったホモ・サピエンスなんか、あと20万年を待たずに絶滅すると決まっているってーのに、あらゆる自然と厄災を退けられると思ってる所が、愚かでしかない。

一度はゴジラに倒され、奮闘むなしく瀕死状態になったコングが、心臓への電気ショックで蘇り、メカゴジラに一方的に圧倒されているゴジラに肩入れする瞬間、ゴジラとコングの目が合って「お、お前・・・」、「ふっ」的なシーンは、ちょっと良かったとだけは言っておこう。(笑)

それにしても、人間ドラマが何もない映画だった。小栗旬が芹沢博士という役で出ているが、その他、どの役も薄っぺらだ。コングと心を通じさせているジアという子どもがいるのだが、この子にほとんど何もさせないので、【パシフィック・リム】でただ泣いて逃げてた芦田愛菜の存在感には足元にも及ばない。
怪獣映画だというのに、ギレルモやタランティーノを監督に据えなかった時点で、とうてい日本人の心は理解してくれないだろうとは思ったのだが、「どうせ、駄作だろうな。」と思いつつも、続けて観てしまっているシリーズは【スターウォーズ】や【スタートレック】みたいに観てしまう一休なのであった。
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