ホッツるマッツる太郎

マンチェスター・バイ・ザ・シーのホッツるマッツる太郎のレビュー・感想・評価

4.0
三者三様の癒されなさと、そこに対峙する面持ちの複雑さ。
抱えた欠落を埋め合う他人同士が家族となる話も希望があって良いけど、愛しくも脆いヒトの営みに寄り添いつつ距離をおいたまなざしの優しさを感じるこの作品も、胸に迫ってきてたまらない。

傷を負ってなお生きる事(生きねばならない事)からにじみだすかそけき温もりと諦めにも似た冷たさ。その狭間で交錯する感情が寄せては返すので、目が離せず心が静かに騒ぐ。
シンプルな話なのにしみじみと見せる演技力と演出が素晴らしかった。
ケーシー・アフレック演じる主人公が、パッと笑顔になる瞬間が忘れられない。