【一言】
う~ん......。
SFエイリアン侵略ものにも、
政治色を出す社会派ものにも、
どちらにも曖昧という印象。
レジスタンスの描写がリアル。
でも、ミクロな視点が多すぎて勿体ない。
世界観が楽しめるマクロな視点が欲しかった。
【感想】
「期待に反して」というのが正直な感想。
SF映画にしても、社会派映画にしても、サスペンス映画にしても、どうにもピンとこない作品でした......。
エイリアンに侵略された地球。
反抗を企てるレジスタンスによるテロ攻撃が物語のメイン。エイリアンの高度な監視を避けながら、テロを計画・準備・実行する流れが非常に丁寧で緻密に描かれます。レジスタンスの動きについてはリアリティあるもので考えさせられました。
でも、逆にあまりに細かすぎて”映画映え”はしなかったかなぁ~と。 なんだか、「密着!南米の麻薬組織ドキュメンタリー」を観ている感じ(笑)
世界観の設定は良かったです。
エイリアンの侵略と支配の展開。個人の監視や支配層と被支配層の確執、富裕層と貧困層の対立。現代世界での戦争の姿や、統治に関わる現実を投影している意図が随所から伝わってきました。
でも、これが「社会派」と呼べるまでには程遠いと感じました。映画全体からすると曖昧だし、「部分」だけを見せて、全体像を映しきれていないから。
「求めていたものと違った」というところ。
エイリアンの侵略と支配や、それに翻弄される人類が観たかった。『インデペンデンス・デイ』とか『第9地区』とか。けど、それとは違うものでした。
そもそも、エイリアの必要性がない。基本的には隠密に行動するレジスタンスが主役だし、直接的にエイリアンと交戦しないし、そもそもエイリアンは姿がほとんど見えないし。
本当の「敵」は一体誰なのか。
エイリアンなのか、体制側の人間なのか、社会構造なのか。そこをもっとハッキリ描いて欲しかったです。