Miver2

魔法少年☆ワイルドバージンのMiver2のレビュー・感想・評価

4.5
本人からすれば深刻で、他人からすればどうでも良い事を下らなく、奥ゆかしく描いて行く物語がとても面白かったな。
それぞれの呪縛を解きながら、笑える所も多々ありつつ、思わずグッと来る所もあって、最後は泣けたなー。

公の姿や立ち振る舞いを観ていて、実際にこういう人っているよなと言うリアルさが感じられたのが良かった。
あくまでコミカルにポップに笑いを交えながら描いて行くあの感じが下らなくて最高だったなって。

前野さんと芹澤さんの2人が並ぶと滅茶苦茶濃かったし、良い大人が大真面目に下らない事をやって魅せるからこその面白さがそこにはあったなと思う。

佐野さんの存在感がとても良かったし、あの可愛らしさが全くブレなくて素敵だったなと。
そして濱津さん演じる会社の上司の嫌な感じ、あのリアルさが最高だった。
そしてヤラれてしまうあの場面にはかなり笑った(笑)

途中登場する斎藤工さんが外でサングラスかけて座ってるシーンで、サングラスの横から少しだけ見える眼に狂気が宿ってたのは最高だった。
何よりも宇賀那健一監督作品における斎藤工さんの存在感、その共犯関係はいつ観ても楽しい♪

後半のの展開を観ていて、芹澤さんの演技とその姿を観てると塚本晋也監督の「鉄男」を思い出す所があった。
それとは別に、田中真琴さんが登場する場面はなかなか強烈だったけど、良い味出してましたね。

しかしながら物語の良い所に来た所での、前野さんのアレを掴みながらの斉藤工さんの演技が最高だったし、居酒屋からあれをああする斎藤さんにはかなり笑った(笑)
あのある種のスペクタクル感、なかなかお目に掛かる事は出来ない驚きと面白さがそこにはあったもんな。

登場人物達の肝心な所を深刻に描くと半径数メートルの物語になっちゃうと思うんだけど、あくまでも下らなさと笑いと愛を忘れないエンタメとして徹していたのが素晴らしかったし、あの終わり方には思わず泣けたしね。
最後、前野さんと佐野さんがとても素敵だった。

上映後の舞台挨拶にもかなり笑わせてもらったし、皆さんの姿と立ち振る舞いがとても素敵だったなー。
休みが変わったから行けたんだけど、運が良かったし、観れて良かった♪

宇賀那健一監督作品は「サラバ静寂」「黒い暴動♡」も劇場でしっかり観れているので、やっぱり今後もちゃんと観て行きたい監督の一人。
来月は「転がるビー玉」の公開が控えてるし、こちらもとても楽しみです。
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