音がずしんとくる。不協和音のメロディーが不安を煽る。
主人公含む演劇部は開演の5時間前に集まってそこからの時間の過ごす。
もちろん映画は2時間とかなんだけれど、私もその5時間をずっと観ていたような感…
母と娘の間には常に境界線が張り巡らされ、断絶を強調する。終幕、ついにふたりがその境界線を越え親密な関係を取り戻したとき、今度はカメラがその境界の外側に追いやられる。
こういった「他人の世界に土足で踏…
未練が画面のどこかに常に漂っているようで不穏。秘密というものは秘めた月日だけ闇を深めていき、打ち明けた瞬間に凄まじい遠心力で慟哭に変わる。初期作らしくまだざらついた質感があり、今の作風の痕跡もあるが…
>>続きを読む脚本家の保坂大輔さんとのトークで「『河の恋人』で見える杉田監督の作家性や伝えたい意思が、『春原さんのうた』ではなくなっている」と保坂さんが言っていて、すごくしっくり来た。
春原さんは透明性が高いと…
トークを聞くと凝りすぎて意図が鑑賞者に伝わっていないだけでなく、頭の中に描いたビジュアルが徐々にアウトプットできるようになってきてそれの行き着いた先が「春原さん」に繋がっていることが分かる。一貫して…
>>続きを読む音と編集が特に印象に残った。
泣き声と河。今まで流せなかった膨大な涙の嵩を表しているかの様。
桐子は父も居場所も失い、母親との関係も首の皮一枚。さまよう彼女の足取りを不安がより一層重くする。それ…