新木

ミス・アメリカーナの新木のネタバレレビュー・内容・結末

ミス・アメリカーナ(2020年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

「ERAS TOUR」ライブ上映観たあとに数年前の(=個人的にはパッとしないと勝手に思ってた時代の)テイラーの本作のようなドキュメンタリー観てしまったら虜にならざるを得ないので良くないですね(良い意味で)。

注目すべきひとつは、グラミー受賞時。「これはビヨンセが受賞するべきだ」と酔ったカニエに乱入されたあれ。当時は完全にビヨンセ派で、グラミーが公平に欠けているとの報道を目にしていたのも含め、テイラーの観点にまったく立てていなかったが、本作観ると「カニエふざけんな」としか思えないこと必死。彼に絡まられるだけで損なのに、その後も歌詞に最悪な感じで登場し、フェイク疑惑のある電話までキム・カーダシアンに公開されてしまうとか。これは、コンスタントにアルバムも発表、セールスや動員数などで記録を樹立、だいたい母親と一緒、いつも笑顔、で美しい、といった鼻にかかる要素しかない優等生ぶりがトントンになるレベル(人生の出来事を他人がプラスマイナスで換算してトータル良かったですね、は暴論なのでごめんなさい)。
そして昨年2023年は奇しくもテイラーもビヨンセもライブ映画を上映。どうしても比較されてしまう宿命なのでしょうか。ともに大ヒット、両作とも大好きでしたが、パフォーマンスはBのほうがかっこよかったかも(劇場の音の問題でもあるかもしれません)。。

もうひとつ注目すべきは、政治的発言の経緯。これも当時のニュースで知っており、アメリカはテイラーでさえもそういう態度が求められているのかと思ったところだが、本人の意向がだいぶ強い発言だったようで。ただ、本作で映し出されている撮影当時のテイラーのトランプ派への抗議が、地元女性議員にピンポイントだった印象のため、現在までにどこまで視座を深められているかが気になるところ。字幕がなかったのでわからずでしたが、ERASのときにもどの程度主張していたのか。

エンターテイメント界では「ミス・アメリカーナ」を背負うには十分すぎるスターの彼女が、これからその枠を越えてどこまで良い方向に人類を導いていけるか。これからのテイラーにも大いに期待。
新木

新木