桃

プロミシング・ヤング・ウーマンの桃のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

2022年43作品目。

ポップでありながら、鋭い切れ味で描かれる復讐劇。

「プロミシング・ヤング・マン(有望な若者)」性犯罪の加害者の若い男性を擁護するときに使われる言葉。
女性にも付け入る隙があったから、有望な男性の将来を根絶やしにしてしまう決断はし難いから。
そんな言い訳で性被害の女性はアンフェアな社会に失望をする。

主人公キャシーは、誰も裁かぬなら、誰も現実を変えようとせぬなら、我こそが、と自らが動く。
その姿は無防備でありながらも、至極論理的である。

ラストは、死ななければならなかったのかな、というのもあるけれど、やっと出来た信頼できる恋人自体も分かり合えないことを悟って、死ぬことへの抵抗も無くなっていたのかもしれない。
自省の念をまだあわせもつ弁護士の存在だけでも、観る側にとって救い。この映画、男性はどんな気持ちで観るんだろう。と思ったけれど、女性の敵は女性という場面もある。
完璧で、誰も傷つけたことのない人はいないだろう、けれど、真摯に向き合うことはできる自分でありたい。
桃